日本球界の代表投手であるプロ野球楽天の田中将大(まさひろ)投手の大リーグ入りに当たっては、米大リーグの十球団以上とも言われる争奪戦の末、ヤンキースに決まった。契約金額は7年契約の総額で1億5,500万ドル(約160億円)の大型契約となり、総額規模でも年棒換算でも2位のイチローを越える最大規模となった。なお、ヤンキースは楽天に2000万ドルの新ポスティングシステムの上限額の譲渡金を支払う。

 図には、日本人大リーガーのこれまでの年棒の推移を示した。

 田中投手のこうした高い評価は、昨シーズン無敗という田中投手の日本球界での実績、これまでの日本人選手の期待を裏切らない活躍という2つの要因によるものであるが、さらに、最高入札額で応じた一球団だけしか交渉できなかった従来のポスティングシステムに代わって、新システムでは、譲渡金の上限が設けられたかわりに選手は獲得を希望する総ての球団と交渉できるようになり、このメリットを生かして交渉を行ったことも影響している。

 田中投手に破られるまで、イチローがマリナーズと2008年から結んだ5年契約の金額が日本選手の歴代トップだった。その金額は、イチローが米国で実績を積み上げてつかんだものである。まだメジャーリーグで一球も投げていないにもかかわらず田中は、日本人最高の巨額オファーを受け、海を渡ることになった訳である。イチローがこの移籍契約について述べた次の言葉はイチロー名言録にまた1つを追加したといえる。

「どんなオファーが提示されたか、ということよりも、このオファーを受けたことへの覚悟と自信に敬意が払われるべきだろう」

日本人大リーガー:年俸の推移
契約期間
期首年
同、
期末年
契約
年数
選手名 所属 年棒
(年平均、万ドル)
契約金総額
(億円)
2006 2009 4 松井秀喜 ヤンキース 1,300 54
2007 2012 6 松坂大輔 レッドソックス 867 54
2007 2011 5 井川慶 ヤンキース 400 21
2008 2011 4 福留孝介 カブス 1,200 50
2008 2012 5 イチロー マリナーズ 1,800 93
2011 2013 3 西岡剛 ツインズ 300 9
2012 2017 6 ダルビッシュ有 レンジャーズ 1,000 62
2013   1 黒田博樹 ヤンキース 1,500 16
2014   1 黒田博樹 ヤンキース 1,600 17
2014 2020 7 田中将大 ヤンキース 2,214 160
(注)選手の並びは契約期間初年度の順。年棒は契約金総額を年平均にした金額である。カッコ内は、契約金総額であるが、契約当時の額ではなく、現時点の為替レート103.41円/ドル(2013年12月末)で換算した値。
(資料)東京新聞2014年1月24日(井川、西岡は朝日新聞同23日)

(2014年1月24日収録)


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