東京電力福島第一原子力発電所の大事故とそれに伴う原子力災害は国際社会に大きな衝撃を与えている。ここでは、東京新聞の特集記事(2011.3.21)などをもとに、世界の主要国の原子炉数とこれまでの原子力事故についてまとめた。

 世界では合計436基の原子炉が運転中であるが、国別では、米国の104基がもっとも多く、ヨーロッパでは特別原子力依存度の高いフランス(図録4052)が58基でこれに次ぎ、日本は54基で世界第3位となっている。イタリアには原発がない。

 一方、建設中の原子炉数では、中国が30基と最も多く、ロシアの11基がこれに次いでいる。日本は4基が建設中である。また計画中の原子炉数では、中国、ロシア、日本、米国の順であり、それぞれ、23基、13基、11基、8基である。西欧諸国では建設、計画中の原子炉はほとんどない。(日本については後段の「原発の新増設計画」表参照)。

 その他の国々で計画中が30基と多いのは、アラブ首長国連邦、トルコ、インドネシア、ベトナムでそれぞれ4基の計画など、これまで原発のなかった国での計画を含むためである。

 これまでの原子力施設の事故を時系列と事故レベルで作図した図を同時に掲げた。原子力事故の国際評価によると2011年3月の福島第一原発事故は米スリーマイル島事故と同等のレベル5とされていたが、4月12日に政府は、レベル7(暫定)に相当すると発表した。国際評価(INES)は国際原子力機関(IAEA)が定めている世界共通の尺度であり、数万テラレベル相当の放射性物質の外部放出がある場合をレベル7と定めている。「チェルノブイリ事故で放出された放射能物質の量は520万テラベクレル。これに対し、今回の事故で放出された量を、保安院は37万テレベクレル、内閣府原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定している。」(毎日新聞2011.4.12)

 以下に、各国の原子力事情と今回事故のインパクトを表に整理した(日本については後段参照)。福島第一原発事故はスリーマイル島事故・チェルノブイリ事故以上に世界に大きなインパクトを与えたようだ。

 スウェーデンの元エネルギー庁長官のトーマス・コーベリエル氏はこう語っている。「世界中に衝撃を与えたのは、複合の過酷事故に加え、技術水準が高く、規律もしっかりしている日本で起きたから。すべての過信が打ち砕かれた」(東京新聞2012.1.10「こちら特報部」)。

 イタリアでも、2016年12月に国民投票で憲法改正案を否決に導き首相を辞任に追い込んだことで注目された新興政治団体「五つ星運動」(創設者ベッペ・グリッロ氏)が政治的影響力をもちはじめたのは、「あの正確無比のロボットみたいな日本人でも対応できないのに、俺たちに原発を操れるか」という声を集めて、ベルルスコーニ首相らが推し進める原発再開など4法を2011年6月の国民投票で否決に持ち込んだ時点だったという(毎日新聞2016年12月20日夕刊)。

各国の原発事情と東日本大震災のインパクト
  大震災までの原発の現状 東日本大震災のインパクト(5月まで)

電力供給に占める原子力の割合は約2割だが、104基の原子炉を抱える原発大国。79年原発史上初の大事故となったスリーマイル島事故で「安全神話」が崩れ、原発建設は凍結されて久しかったが、2005年8月、ブッシュ前大統領が原子力政策の転換を決断、価格が不安定な輸入原油への依存を減らすため原発の建設推進を盛り込んだ法律を成立させた。オバマ大統領も地球温暖化と雇用促進を重視する立場からこれを継承 連邦議会から原発の安全性への疑問の声が出始めているが、3月末の演説でオバマ大統領は原子力を含むクリーンエネルギー政策を推進する政策を改めて強調

チェルノブイリ事故の影響で脱原発の動きが広がった欧州では、近年は、地球温暖化を抑えることができるクリーンエネルギーとして見直され、「原発回帰」の流れが加速していた。 再度、脱原発への動き


メルケル政権は、2021年までに全廃予定だった脱原発政策を転換、既存の原発を平均12年間稼働延長させることを決定 再度、脱原発への動き。稼働延長の3ヶ月間凍結を宣言後、与党3党が「22年までの全原発廃炉」を目標に合意(5月30日)





スリーマイル島原発事故の翌年の1980年に国民投票で決めた原発の全廃決定を覆して、2010年、原子炉10基の建て替えを議会で承認 再度、脱原発への動き。ただし5月30日のドイツ与党合意について原発建設を進めるスウェーデンのカールグレン環境相は「時期にこだわりすぎ、再生可能エネルギー確保手段の議論が置き去り」と批判



チェルノブイリ事故後1987年に国民投票で原発全廃され「原発なき先進国」といわれていたが、ベルルスコーニ首相は「石油と天然ガスの輸入への依存の度合いを下げる」と主張、国民投票(2011年6月までの予定)を経て新たに原発を建設し2030年までに電力の25%を賄う計画を掲げていた イタリア政府は4月中旬、原発再開計画の無制限凍結を表明。ただ、ベルルスコーニ首相は、「原子力は全世界にとっての未来だと確信している」と持論を改めて強調し、反原発の世論が収まるのを待つ措置との見方もある。首相の思惑に反し最高裁は6月1日国民投票予定通り実施の判断下し、再開否決が必至


2009年の世論調査では「原発は必要」が73%であった 再度、脱原発への動き。老朽原発の更新を凍結。政府は稼働中の5基を19〜34年に廃炉にする政策を決定



原子力依存度が高い 原発推進の立場保持。世界有数の産業を抱え、今回の事態をむしろドイツへの電力輸出の商機と捉えるむきもある。サルコジ大統領は開発中の次世代原発について「安全性は(現行の原発より)10倍高い」とアピール


1970年代に建設された旧ソ連製原発の建て替え時期を迎え、チェコ、ハンガリー、ブルガリアなど軒並み原発導入を計画 再度、脱原発への動き

エネルギー需要の増大に対応し、建設中の原子炉が28基と「世界一の建設規模」 「中国も世論の監督が必要」と情報の透明性を求める報道が出始め、政府は3月16日、新規計画の承認を一時凍結することを発表、ただし「導入予定の次世代原発はより安全」と強調

原発推進 イミョンバク大統領はこれまで通り原発推進の方針だが、原発誘致が大きな争点となった4月末の江原道知事選では原発反対を掲げた野党候補が当選

6基稼働、2基建設中 再度、脱原発への動き。稼働中の原発を18〜25年に順次廃炉に


原発推進 インド、トルコ、ベトナムは原発の建設・計画を継続しながらも、国内での反原発運動の盛り上がりを警戒
(資料)東京新聞2011.3.21「世界の原発事情」、東京新聞2011.3.22、毎日新聞2011.5.30、2011.6.2、東京新聞2011.6.2(イタリア)、東京新聞2012.1.10(スウェーデン)

 また、図にした原子力施設の主な事故を次に掲げた。

原子力施設の主な事故
事故名 原子力事故レベル 事故内容
1979年 3月 米スリーマイル島事故 5 米ペンシルバニア州のスリーマイル島原発2号機で炉心が3分の2ほど露出する空だき状態となり、炉心の半分が溶融、放射性物質が放出
1986年 4月 旧ソ連チェルノブイリ事故 7 ウクライナ(旧ソ連)のチェルノブイリ原発4号機で試験運転中の原子炉が爆発し、大量の放射性物質が大気中に放出
1991年 2月 美浜2号機蒸気発生器細管破断事故 2 関西電力美浜原発2号機で蒸気発生器細管が破断
1995年 12月 もんじゅナトリウム漏えい事故 1 福井県敦賀市の高速増殖炉原型炉もんじゅの2次冷却系配管でナトリウム漏れ
1997年 3月 東海再処理施設火災爆発事故 3 茨城県東海村の東海再処理施設で火災と爆発が発生、作業員37人が被ばく
1999年 9月 東海村臨界事故 4 東海村のJCO東海事業所転換試験棟で臨界事故が発生、2人が死亡
2004年 8月 美浜3号機死傷事故 1 関西電力美浜原発3号機のタービン建屋で高温の蒸気が噴出、5人が死亡
2011年 3月 福島第一原発1〜3号機事故 7 東日本大震災による津波の影響で、福島第一原発で事故、被ばく者多数に上る
2011年 3月 同4号機事故 3 同上
2013年 8月 東海村加速器事故 1 茨城県東海村の加速器実験施設「J―PARC」で放射性物質が漏れ、34人が被ばく
2013年 8月 福島第一原発タンク汚染水漏れ 3 地上タンクから高濃度汚染水漏れ
(資料)図と同じ

放射能汚染の比較
  チェルノブイリ
(1986年)
福島第一原発
(2011年)
大気への
放出量
(テラベクレル)
ヨウ素 170万 10万〜50万
セシウム
137
8万6000 6000〜2万
甲状腺被ばく線量
(ミリシーベルト)#1
*避難住民
 50〜5000
*原発30キロ圏外福島県
 33〜66(1歳児)
 7.8〜24(成人)
*原発30キロ圏内(その後避難)
 20〜82(1歳児)
(注)国連科学委員会の報告書案による。
 #1 50ミリシーベルト(健康への配慮が必要とされる国際的な目安)
   100ミリシーベルト(甲状腺がんが増えるおそれがあるとされる量)
(資料)東京新聞2013年5月28日(#1はNHKNEWSweb2013年5月28日)


 福島第一原発事故の放射能汚染の状況は、国連科学委員会の報告書案によれば、チェルノブイリ事故よりは小さく、甲状腺の被ばく線量もチェルノブイリとは異なり、健康への配慮は必要だが、甲状腺がんの増加のおそれはないとされる水準だったとされている。

 東京新聞「こちら特捜部」(2013.6.15)によれば、福島県飯舘村で放射性物質の測定などの調査を続けてきた京都大原子炉実験所の今中哲二助教がこの報告書案で注目しているのは「日本全土でどれだけ被ばくしたかを表す「集団実効線量」の推計だ。甲状腺の集団実効線量は11万人・シーベルト(生涯の被ばく線量)、全身でみると4万1千人・シーベルトとなっている。国際放射線防護委員会(ICRP)は「一万人・シーベルトで500人のがん死が起きる」と見ている。全身の集団線量に当てはめると、がん死の増加は2,050人だ。この数値をチェルノブイリ原発事故後の旧ソ連や欧米諸国の約6億人分のデータと比較すると、福島原発事故による被ばく量は約20分の1、全身が約10分の1という結果となる。「大したことはない」と安心したくなるが、こうした一連の数字をどう読むべきだろうか。「無視できる数とは言えない。当てはまった人は、事故という人為的な原因で死を迎えるのだから」(今中助教)」なお、同記事は事故後の子ども検査数が少なすぎて推計の信頼性が十分でない点やがん死など健康被害への科学的根拠は必ずしも確定的でないと報告書案も認めている点を指摘している。

 ここで原子炉数のデータを取り上げた主要国は、英国、ドイツ、フランス、スウェーデン、ロシア、ウクライナ、インド、中国、日本、韓国、米国、カナダという12カ国である。

 福島第一原子力発電所の原子炉のプラントメーカーは下表の通りである。大震災発生を受け、東芝は子会社を含め約850人の対策チームを発足させ、そのうち700人が各プラントの復旧支援に当たり、同社子会社のウェスティングハウスなどは関連装置の提供を行う。また日立も約1000人体制で日米で原子力の合弁会社を展開するGEとも連携し、復旧などの支援、技術者派遣等にあたるという(東京新聞2011.3.23)。

福島第一原発のプラントメーカーなど
プラント 営業運転開始 出力(キロワット) 主契約メーカー
1号機 1971年 46万 GE
2号機 1974年 78.4万 GE、東芝
3号機 1976年 78.4万 東芝
4号機 1978年 78.4万 日立
5号機 1978年 78.4万 東芝
6号機 1979年 110万 GE、東芝
(資料)東京新聞2011.3.23

 同紙は福島第一原発の設計に携わった東芝の元社員2人の同原発設計当時の状況についての証言を報道している。1〜3号機と5〜6号機の設計に参加した元社員(69歳)は、当時はマグニチュード8.0以上の地震は起きないとされ10メートルを超えるような大津波は設計条件に与えられていなかったと証言している(末尾参考資料および図録4363参照)。また「建設当時の設計の甘さの理由について男性は、福島第一原発が日本では初期の施設であることを挙げる。「当時の日本で、原発は経験のない分野だった。1、2号機を受注した東芝も担当したのは部品の設計だけ。プラント全体の設計は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が受注していた。」と明かす。GEの設計には、地震多発国特有の条件が十分には反映されていなかったという。(中略)1、2号機が稼働を始めると、3号機からGEに頼らない「原発の国産化」が目標となった。東芝と日立が直接受注するが、実態はGEとライセンス契約を結び、規格を踏襲するだけ。「電力会社から『3号機以降も絶対に失敗するな。慎重に同じものをつくれ』と言われていた」と、当時を振り返る。(中略)事故の後、男性は原子力発電所を抱える全事業所の社長に宛てて「稼働中の原発を止めてほしい」とファックスを送った。「原発は人間が扱いきれるものではない。一人でも多くの人が、それに気づいてほしいのです。」」(同上)

 欧米とアジアでは主たる居住地の標高が異なることなど国土条件が異なるため原発の設計・管理を含むインフラ思想にも異なる合理性があると考えられる点については、図録7231、図録9060参照。

 原発の安全管理については、法律上、モラルハザードが生じやすい状況であったことが、経済学者の竹森俊平によって明確に指摘されている(「国策民営の罠―原子力政策に秘められた戦い」日本経済新聞出版、2011年)。まず、原子炉のプラントメーカーには、製造物責任が例外的に非適用とされている(原子力損害賠償法(原賠法)第4条3)。福島第一原発の事故がGE社の設計ミスだったとしても被害住民はGEに損害賠償を請求できないとされているのである。しかも、損害が故意で発生した場合以外は、損害賠償を行った原子力事業者はプラントメーカーに求償権を有しないとされている(同第5条)。GEも東芝も原発事故が起こっても何ら心配がないという訳であり、安全性に対する意識が低下していても不思議はない。プラントメーカーはそもそも津波のことなど考えなくても良かったのだ。第5条について、竹森は「ここを読んで、文字通り椅子から飛び上がってしまった」(p.144)と言っているが、私も同感である。故意、すなわち意図的に原発事故を起こさない限り、原発の設計者に責任を一切負わせないと言う驚くべき条文は、このくらい有利にしないと外国の原発メーカーから技術を分けて貰えなかったからと推察されているが、その後、条文改正もなく、国内のメーカーに同様のメリットを与え続けてきたというから驚く。

 それでは原子力事業者である電力会社のモラルハザードは生じていないだろうか。電力の垂直型地域独占、電源3法などによる立地支援といった保護に加えて、原子力事業者に無過失責任を追わせる一方で一定額(しかも1200億円程度の小さな額)以上の損害賠償には政府が支援するという原賠法の規定が電力会社にモラルハザードを生じさせている。

 竹森(2011)はこう言っている。「欧米の電力モデルであれば、スリーマイル島事件のような出来事のあとには、原発事故をカバーする保険契約料の高騰や、原子力事業を行う資本コストの上昇が起こるので、電気事業者には原発を回避し、他の発電形態を選択するインセンティブが働く。しかし、日本の電力モデルの場合には、保険料が高騰しても電気料金に上乗せができ、資本コストについても国の支援によっていつも低位で安定しているために、原発のリスクが経営に反映されにくいのである。スリーマイル島の事故の後、ほとんどの先進国では30年間にわたり原発の建設がストップしたのに、日本では続けられたのはそのためだ。

 このように原発事故のリスクを経営判断に組み込れる仕組みが欠如しているという日本型電力モデルの問題点を前提として考えるならば、原賠法もまた、わが国における発電形態の選択の歪みや、原発への過度なバイアスを拡大する要因となったことは確かである。また原発を15メートルの高台に置いた東北電力とは対照的に、貞観地震の際の15メートルという津波の規模に関する社内情報を握りつぶした東京電力の経営判断は、過保護な法律によって、企業の安全管理がおざなりになる典型的なモラル・ハザードの現象と言えよう。」(p.246〜247)こうしたモラル・ハザードの発生が予見できたのに、独立の安全規制官庁をおいて安全管理に充分に気を付けていなかった国の責任は免れがたいと言えよう。

 政府は2010年に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、現在、電力の約3割を担う原子力の割合を30年には50%に引き上げることを目指し、2020年までに9基、30年までに少なくとも14基の原発を新増設するとしていた。こうした目標にそって下表のような原発の新増設計画が進んでいた。しかし、大震災によって原発の安全性への信頼が失われたため計画はすべてストップしている。

原発の新増設計画
  原発名 会社 運転開始予定
建設中 島根3号(島根県松江市) 中国電力 2012年3月
大間(青森県大間町) 電源開発 2014年11月
東通1号(同県東通村) 東京電力 2017年3月
計画
(着工
準備中)
東通2号(同県東通村)  同 2020年度以降
東通2号(同県東通村) 東北電力 2021年度以降
福島第一7号(福島県双葉町) 東京電力 2016年10月
福島第一8号(同県双葉町)  同 2017年10月
浪江・小高(同県浪江、小高町) 東北電力 2021年度
浜岡6号(静岡県御前崎市) 中部電力 2020年度以降
敦賀3号(福井県敦賀市) 日本原子力発電 2016年3月
敦賀4号(同県敦賀市)  同 2017年3月
上関1号(山口県上関町) 中国電力 2018年3月
上関2号(同県上関町)  同 2022年度以降
川内3号(鹿児島県薩摩川内市) 九州電力 2019年度
(注)電気事業連合会調べ
(資料)東京新聞2011.3.23

(参考資料)福島第一原発を襲った津波の高さ

・NHKニュース「原発襲った津波は14m以上」(3月22日5時27分)

 東北の太平洋沿岸を襲った大津波でさまざまな設備が故障し、冷却機能が失われた福島第一原子力発電所と、隣の福島第二原子力発電所では、想定の2倍を超える14メートル以上の津波を観測したことが分かりました。

 東京電力が、11日の地震のあと、福島第一原発と福島第二原発を襲った津波について調べた結果、原子炉がある建物の壁に残った跡などから津波の高さは、いずれも14メートル以上あったことが分かりました。東京電力が想定していた津波の高さは、▽福島第一原発では最大5.7メートル、▽福島第二原発では最大5.2メートルで、いずれも、想定の2倍を超える高さの津波が襲っていました。福島第一原発では、海沿いに設置された非常用ディーゼル発電機や海水を取り込むポンプなどの設備が水につかって故障し、原子炉を冷やすための機能が十分に確保できない事態になっています。福島第一原発の、原子炉がある建物やタービンがある建物は、海抜10メートルから13メートルのところに建てられていて、これらの設備でも一部が浸水する被害が出ました。東京電力は、「想定していた地震の規模は、マグニチュード8.0と実際の地震より『1』小さく、今回は空前の規模だと認識している。今後原子炉を安定させたうえで、津波の被害について検証する必要がある」と話しています。

・毎日新聞(2011.4.9)

 東京電力は9日、東日本大震災による福島第1、第2原発の津波の被害調査結果を公表した。(中略)調査結果によると、第1原発を襲った津波の高さは、想定した津波(5.7メートル)を上回る14〜15メートル。同原発1〜4号機の敷地は海面から約10メートルの高さで、それを超えた約4〜5メートル分の深さでほぼ全域に浸水が広がった。建屋2階まで水に襲われ、海水の取水ポンプなど周辺の機器などが被災した。被害が少なかった5、6号機は敷地の高さが13メートルあり浸水は最大1メートルだった。

 大きな被害のなかった第2原発でも津波は想定した津波(5.2メートル)を超え、1号機南側で同じ14〜15メートルの高さだった。しかし、原子炉建屋など主要部分は、海面から12メートルの高さで手前が階段状の地盤になっていたため、浸水は1号機南側で最大深さ2〜3メートル、2〜4号機では30〜40センチにとどまった。

(2011年3月22日収録、3月23日日本の原発事情追加、3月25日(注)を追加、4月9日(注)に追加、(注)を参考資料に名称変更、4月12日INESレベルを5から7へ引き上げ、5月22日世界の原子炉数のデータを更新、計画中を追加、6月2日表「各国の原発事情と東日本大震災のインパクト」更新、2012年1月11日コーベリエル氏発言引用、2013年5月29・30日放射能汚染の比較の表・コメント追加、6月16日国連報告書案に対する評価記事紹介、8月21日福島第一原発地上タンク汚染水漏れ追加、10月24・25日竹森引用追加、2016年12月21日イタリア五つ星運動への影響)


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