我が国では、自然災害によって、毎年、尊い人命が失われている。図には、1945年以降の毎年の自然災害による死者・行方不明者数の推移を示した。世界の主な自然災害については図録4367参照。

 戦後、1940年代後半〜1950年代には、地震、台風などによって1000人以上の人命が失われる大災害が頻発した。

 5,000人を越す犠牲者と未曾有の被害をもたらした伊勢湾台風の年、1959年以降は、死者・行方不明者は、著しく減少していった。これは、治山・治水・海岸整備の他、観測体制、予報技術、災害情報伝達、避難体制など防災体制が充実した結果である。

 しかし、1995年に起こった阪神・淡路大震災では、6,437人と戦後それまでで最大の死者・行方不明者数をもたらし、さらに2011年には2万人近くの死者・行方不明者と、他を圧倒して戦後最大の被害となった東日本大震災が発生し、それにともなう福島第一原発の原子力事故はなお収束を見ていない。自然の力を侮ることはできないことを如実に示しているといってよい。

 近年の自然災害による犠牲者は、北海道南西沖地震、阪神・淡路大震災、東日本大震災が起った1993年、1995年、2011年を除くと、大部分が、土砂災害をはじめとした台風などの風水害、そして雪害によっている。

 以下に我が国における明治以降の主な自然災害の状況を一覧表として掲げた。

我が国の主な自然災害の状況
年月日 災害名 主な被災地 死者・行方不明者数
1891 濃尾地震   7,273人
1896 明治三陸地震津波   約22,000人
1923 関東大震災   約105,000人
1927 北丹後地震   2,925人
1933 昭和三陸地震津波   3,064人
1943 鳥取地震   1,083人
1944 東南海地震   1,251人
1945.1.13 三河地震(M6.8) 愛知県南部 2,306人
1945.9.17〜18 枕崎台風 西日本(特に広島) 3,756人
1946.12.21 南海地震(M8.0) 中部以西の日本各地 1,443人
1947.8.14 浅間山噴火 浅間山周辺 11人
1947.9.14〜15 カスリーン台風 東海以北 1,930人
1948.6.28 福井地震(M7.1) 福井平野とその周辺 3,769人
1948.9.15〜17 アイオン台風 四国〜東北(特に岩手) 838人
1950.9.2〜4 ジェーン台風 四国以北(特に大阪) 539人
1951.10.13〜15 ルース台風 全国(特に山口) 943人
1952.3.4 十勝沖地震(M8.2) 北海道南部,東北北部 33人
1953.6.25〜29 大雨(前線) 九州,四国,中国(特に北九州) 1,013人
1953.7.16〜24 南紀豪雨 東北以西(特に和歌山) 1,124人
1954.5.8〜12 風害(低気圧) 北日本,近畿 670人
1954.9.25〜27 洞爺丸台風 全国(特に北海道,四国) 1,761人
1957.7.25〜28 諫早豪雨 九州(特に諫早周辺) 722人
1958.6.24 阿蘇山噴火 阿蘇山周辺 12人
1958.9.26〜28 狩野川台風 近畿以東(特に静岡) 1,269人
1959.9.26〜27 伊勢湾台風 全国(九州を除く,特に愛知) 5,098人
1960.5.23 チリ地震津波 北海道南岸,三陸海岸,志摩海岸 142人
1963.1. 昭和38年1月豪雪 北陸、山陰、山形、滋賀、岐阜 231人
1964.6.16 新潟地震(M7.5) 新潟県,秋田県,山形県 26人
1965.9.10〜18 台風第23,24,25号 全国(特に徳島,兵庫,福井) 181人
1966.9.23〜25 台風第24,26号 中部,関東,東北,特に静岡,山梨 317人
1967.7.〜8. 7,8月豪雨 中部以西,東北南部 256人
1968.5.16 十勝沖地震(M7.9) 青森県を中心に北海道南部・東北地方 52人
1972.7.3〜15 台風第6,7,9号及び7月豪雨 全国(特に北九州,島根,広島) 447人
1974.5.9 伊豆半島沖地震(M6.9) 伊豆半島南端 30人
1976.9.8〜14 台風第17 号及び9月豪雨 全国(特に香川,岡山) 171人
1977.1. 雪害 東北、近畿北部、北陸 101人
1977.8.7〜78.10. 有珠山噴火 北海道 3人
1978.1.14 伊豆大島近海地震(M7.0) 伊豆半島 25人
1978.6.12 宮城県沖地震(M7.4) 宮城県 28人
1979.10.17〜20 台風第20号 全国(特に東海,関東,東北) 115人
1980.12.〜81.3. 雪害 東北、北陸 152人
1982.7.〜8. 7,8月豪雨及び台風第10号 全国(特に長崎,熊本,三重) 439人
1983.5.26 日本海中部地震(M7.7) 秋田,青森 104人
1983.7.20〜29 梅雨前線豪雨 山陰以東(特に島根) 117人
1983.10.3 三宅島噴火 三宅島周辺
1983.12.〜84.3. 雪害 東北、北陸(特に新潟、富山) 131人
1984.9.14 長野県西部地震(M6.8) 長野県西部 29人
1986.11.15〜12.18 伊豆大島噴火 伊豆大島
1990.11.17〜 雲仙岳噴火 長崎県 44人
1993.7.12 北海道南西沖地震(M7.8) 北海道 230人
1993.7.31〜8.7 平成5年8月豪雨 全国 79人
1995.1.17 阪神・淡路大震災(M7.3) 兵庫県 6,437人
2000.3.31〜01.6.28 有珠山噴火 北海道
2000.6.25〜05.3.31 三宅島噴火及び新島・神津島近海地震 東京都 1人
2004.10.20〜21 台風第23号 全国 98人
2004.10.23 平成16年(2004年)新潟県中越地震(M6.8) 新潟県 68人
2005.12.〜06.3. 平成18年豪雪 北陸地方を中心とする日本海側 152人
2007.7.16 平成19年(2007年)新潟県中越沖地震(M6.8) 新潟県 15人
2008.6.14 平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(M7.2) 東北(特に宮城、岩手) 23人
2010.12.〜11.3. 雪害 北日本〜西日本にかけての日本海側 128人
2011.3.11 東日本大震災(Mw9.0) 東日本(特に宮城、岩手、福島) 18,506人
2011.8.30〜9.5 平成23年台風第12号 近畿、四国 94人
2011.11.〜12.3. 平成23年11月からの大雪等 北日本から西日本にかけての日本海側 133人
2012.12.〜13.3. 平成24年11月からの大雪等 北日本から西日本にかけての日本海側 104人
2013.11.〜14.3. 平成25年11月からの大雪等 北日本から関東甲信越地方(特に山梨) 95人
(注)
1 戦前の災害は死者・行方不明者が1,000人を超える被害地震。戦後は、死者・行方不明者について、風水害は500人以上,雪害は100名以上、地震・津波・火山噴火は10人以上のもののほか,災害対策基本法による非常災害対策本部が設置されたもの。
2 阪神・淡路大震災の死者・行方不明者については平成17年12月22日現在の数値。いわゆる関連死を除く地震発生当日の地震動に基づく建物倒壊・火災等を直接原因とする死者は,5,515人。
3 三宅島噴火及び新島・神津島近海地震の死者は,平成12年7月1日の地震によるもの。
4 関東地震の死者・行方不明者数は、理科年表(2006年版)の改訂に基づき、約142,000人から約105,000人へと変更した(平成22年版防災白書)。
5 平成25年以降の死者・行方不明者数は内閣府とりまとめによる速報値。
原資料:気象年鑑,理科年表,警察庁資料,消防庁資料,緊急災害対策本部資料,兵庫県資料
(資料)平成26年版防災白書ほか


 関東大震災の死者・行方不明者数の従来の定説は1925年調査に基づき、14万2000人余りとされてきたが、2003年頃、新しい実態調査により焼死者数と行方不明者数のダブルカウントが明らかとなり、上図の数字に改められた(理科年表でも2006年版から修正)(門倉貴史「本当は嘘つきな統計数字 (幻冬舎新書)」2010年)。

(2006年6月15日収録、2007年8月9日更新、2009年6月30日更新、2011年3月16日更新、6月23日更新、2012年7月5日更新、2014年7月8日更新)

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