駿河湾から九州沖まで延びる海溝、南海トラフではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み、過去に巨大地震を繰り返してきた。ここを震源域とする巨大地震(東海・東南海・南海地震)について、国は今後30年間に発生する確率を60〜88%と推測している(毎日新聞2012年4月1日、以下同様)。

 2003年に中央防災会議がM8.8の想定で被害を予測したが、津波は最大17mだった(高知県四万十町)。2012年には内閣府の有識者検討会が震源域を従来の東海、東南海、南海に加えて宮崎沖日向灘を加え約2倍、地震の規模を約3倍のM9.1として、各地の津波の最大の高さ(満潮時)を予測している(再見直し後の図は図録4382)。

 ここではこの改定予測をグラフにした。冒頭に各都道府県の最大津波と原発所在地の最大津波の高さグラフを掲げ、次に、これの元となった全市区町村の最大津波高さ想定の分布グラフを掲げた。2つのグラフを比べれば、各都道府県の最大津波がその地域で一般的なのか、それとも例外的なのかが判断できる。

 津波の高さは高知県黒潮町で34.4mと最大となり、高知県以外では、徳島県、三重県、愛知県、静岡県、東京都(島嶼部)で20mを超えると予測されている。

 原発との関係では、中部電力が東京電力福島第一原発事故を受けて国が指示した緊急安全対策の一環で、海抜18m、長さ1.8キロの防波堤を年内完成を目指して建設中であるが、今回の想定ではこの防波堤を更に3m以上上回る高さの津波が襲う可能性があるとされ、対策の不十分さが露呈する格好となっている。

 冒頭のグラフで津波の高さ(最大想定)のデータ数字を掲げた27市区町村を列挙すると図の並びの順に、沖縄県北大東村、鹿児島県屋久島町、宮崎県串間市、大分県佐伯市、福岡県北九州市門司区、高知県黒潮町、高知県四万十町、愛媛県愛南町、愛媛県伊方町、香川県さぬき市、徳島県海陽町、山口県上関町、広島県江田島市、岡山県備前市、兵庫県南あわじ市、大阪府堺市西区、和歌山県すさみ町、三重県鳥羽市、愛知県豊橋市、静岡県御前崎市、静岡県下田市・南伊豆町、神奈川県鎌倉市、東京都(島嶼部)新島村、東京都(区部)中央・港・江東区、千葉県館山市、茨城県神栖市、茨城県東海村である。

(2012年4月2日収録、4月6日(表題)これまで使われていた「東海・東南海・南海地震」を新聞等も使用するに至った「南海トラフ巨大地震」に変更)


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