景気変動により毎年の変動は小さくないものの長期的な傾向としては、「高度成長期」から「安定成長期」、「低成長期」へと移り変わるにつれて経済成長率が段階的に低下してきた点が図を見れば一目瞭然である。 2016年度の経済成長率は1.2%(改訂前1.3%)と昨年度から0.2%ポイント低下した。速報と同時に年次推計が2016年度年次推計として改訂されたので1994年度以降の数字が数多く変更となっている(値の変化は最大0.2%ポイントと大きくはないが)。 2015年度の経済成長率は1.4%(改訂前1.3%)とバブル崩壊後の平均1.0%を上回る水準に回復した。 2014年度の経済成長率は-0.3%とマイナス成長となった。これは、8%への消費税上げの影響によるものと考えられる。消費税3%を導入した1989年、消費税を5%にあげた1997年の成長減速と同様の状況である。 2013年度の経済成長率は2.6%と最近では高い値となった。2012年度の経済成長率は0.8%である。08年度は世界金融危機の影響で下半期に大きく経済が落ち込んだ影響で、前年度の1.2%から一転して、-3.4%と戦後最大のマイナスとなった。09年度は景気回復の途上にあるがなお戦後2番目に大きなマイナスとなった。10年度は戦後はじめての2年次続く大きなマイナスからの回復となった。2010年度の成長率は3.2%と1991年度以降2番目に高かった。なお、東日本大震災は10年度末近くの3月11日に発生しており、10年度データには余り影響がなく11年度に影響があったと考えられる。 暦年毎、及び近年の四半期別の経済成長率とその需要項目別寄与度は図録4420参照。 日本の経済成長が世界経済の成長に占めるウエイトの変化については図録4505参照。経済成長率の変化が国民意識に及ぼす影響については図録2400参照のこと。 なお、景気を対前年伸び率でなく、1次回帰線からの乖離幅で見た例を図録2780に掲げた。景気回復といっても回復の程度はそれほどでないことが分かるので、この見方の方が、実感に近いかも知れない。 成長率の値はかなりの頻度で過去に遡って改訂される。例えば、新しい方から、@2016年12月の改訂(93SNAから2008SNAへの大改訂、資本概念の変更については図録5165コラム参照)、A2011年12月の改訂(基準年次変更に伴う改訂)、及びB2006年12月の通常改訂は以下のようにかなりの幅であった。上記の改訂前の数字の併記を見れば分かるとおり、直近の公表値を信じて確定的な論旨を立てると場合によっては恥をかく事態になりかねない状況である。
(2004年6月10日、9月22日、2005年5月18日、2006年8月14日、12月5日、2007年8月16日、2008年5月23日、8月13日、12月3日、2009年5月21日、9月11日、12月7日・8日、2010年5月20日、6月14日、8月16日、9月10日、11月15日、12月9日、2011年3月10日・%不変、5月19日、6月10日、8月16日更新だが%は不変(以下、%不変と表示)、9月9日%不変、11月14日、12月11日、2012年2月13日、3月8日、5月18日、8月13日、11月12日、12月10日、2013年2月14日%不変、3月8日%不変、5月16日、6月10日%不変、8月12日、9月9日%不変、11月15日(同)、12月9日、2014年2月17日、3月10日%不変、5月15日、6月9日・8月13日%不変、9月8日%不変、11月17日、12月8日更新、2015年2月16日%不変、5月20日、6月8日、8月17日%不変、9月9日%不変、11月16日%不変、12月8日更新、2016年2月15日%不変、3月8日%不変、5月18日更新、6月8日%不変、8月15日%不変、9月9日%不変、11月14日更新、12月9日更新、2017年2月14日%不変、3月9日%不変、5月18日更新、6月8日更新、8月14日更新、9月9日%不変、11月15日%不変、12月9日更新、2018年2月14日%不変、3月8日%不変)
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