各国の国民は、子どもたちが自分の国で育った場合に、将来、親たちの世代に比べて、経済的に、暮らしが良くなると考えているのか、あるいは悪くなると考えているのかを40カ国で調べたピューリサーチセンターの調査結果を見てみよう。

 すでに経済が発展した成熟国であればあるほど、将来世代は現世代より暮らしが悪くなると考える傾向が明確である。例えば、欧州・北米の総ての国、また、アジア・太平洋のうちの韓国、マレーシア、オーストラリア、日本では、「良くなる」より「悪くなる」の方が多くなっている。それ以外では、イスラエルを除く中東の諸国、ラテンアメリカのメキシコ、ベネズエラ、アフリカのタンザニアのみが、やはり、「良くなる」より「悪くなる」の方が多くなっているが、これらは、直近の経済状態が悪化しているか、紛争が深刻という理由によるものであろう。

 ただし、紛争のさなかにあるウクライナでさえ、「良くなる」の方が「悪くなる」を大きく上回っているのは印象的である。ロシアにも似たところがある。こうした旧ソ連圏では、ソ連崩壊後のこれまでの状況がひどすぎたので、将来は今より悪くなるとは考えられないためという側面も強かろう(図録8985参照)。

 「良くなる」が少なく、「悪くなる」が多い国としては、特に、イタリア、フランス、日本が目立っている。日本は、「良くなる」の少なさでは世界3位、「悪くなる」の多さでは世界2位である。当面の経済状態がそう順調でないことと高齢化に伴う社会保障の将来負担増による将来展望の暗さが原因であろう。

 他方、経済成長が著しい国では、どんなに困難な国内問題があろうとも「良くなる」が「悪くなる」を大きく上回っているのも印象的である。これは、ベトナム、中国、インド、ナイジェリア、エジプトなどに見られる状況である。

 先進国の中では、日本、イタリア、フランスの低調と比べて、ポーランド、ドイツ、米国については、将来展望がそう暗くはなっていないのが目立っている。スペインは失業率も高く(図録3080)、債務問題もあるが、将来展望はそう暗くない。

 関連するデータとしては、同じくピューリサーチセンターの調査結果である図録1215(老後の安心の国際比較)も参照されたい。

 図で取り上げている国は、図の順番に、ポーランド、ドイツ、米国、スペイン、カナダ、英国、イタリア、フランス、ロシア、ウクライナ、ベトナム、中国、インド、インドネシア、パキスタン、フィリピン、韓国、マレーシア、オーストラリア、日本、イスラエル、トルコ、ヨルダン、パレスチナ、レバノン、チリ、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、ベネズエラ、ナイジェリア、エチオピア、ブルキナファソ、セネガル、ガーナ、ウガンダ、南アフリカ、ケニヤ、タンザニアである。

(2015年7月25日収録、8月19日旧ソ連のコメント補訂)


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