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| 社会格差が問題となる中で、日本の貧富の格差、所得格差は、国際的に見てどの程度の水準なのであろうか。すでに途上国を含めた貧富の格差の概観については図録4650で、また主要国の格差の推移については、図録4660でみたが、ここでは、かなり厳密な定義によってOECD諸国全体を比較したグラフを作成した。 2000年代末のジニ係数で各国を比較すると、日本は、0.329と、OECD34か国中、11位となっており、先進国の中では格差の大きな国でもないし、格差の小さな国でもないという結果となっている。日本が格差の小さな平等な国であるといった見方があったが、これは事実に基づいておらず、もともと先進国の中では中位の国だったことは図録4660でふれたとおりである。 OECD諸国の中で最も格差の大きいのは、チリ、メキシコ、トルコといった途上国的性格の強い1人当たりの所得水準の低い諸国である。主要先進国の中では、米国が最も大きな格差の国であり、英国、イタリア、及び大洋州2国がこれに続き、日本がその後に来ている。 逆に格差の小さなことで目立っているのは、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンといった北欧諸国である。ドイツ、フランスは、北欧諸国と日本、英国の中間ぐらいに位置している。 現状と1980年代以降の変化については、出典としたOECD資料から引用することとする。 「OECD諸国の所得格差は大きく異なっている。ジニ係数で測った格差はスロベニア、デンマーク、ノルウェーが最も小さく、反対にチリ、メキシコ、トルコで最も大きくなっている。(中略)所得格差を計測する別の方法でも全体として同様なランキングとなっている。1980年代中頃から2000年代末にかけて格差が拡大したのは19か国中15か国となっている。格差拡大はフィンランド、ニュージーランド、スウェーデンで最も著しい。フランス、ギリシャ、トルコでは格差が縮小した。所得格差の拡大は概して1980年代中頃から1990年代中頃にかけてが、それ以降より大きかった。」(OECD Factbook 2011-12) 日本は高齢化などにより所得格差が徐々に拡大してきているが、日本とジニ係数が逆転し、日本以上に格差拡大が大きかったニュージーランドの事例は、構造改革の結果としての側面から注目される。ニュージーランドは1984年に蔵相の名にちなみロジャーノミクスと呼ばれる市場第一主義の保護策廃止、民営化、規制緩和の政策を開始し、1987年には、郵政事業が分割民営化された。ニュージーランドのジニ係数の大きな上昇には、こうした自由主義政策が影響していると考えられることから、小泉改革期の日本で、今後格差がさらに拡大するのではないかという見方が生じたのも無理はないといえよう。しかし、結局、図から分かるとおり、日本の格差状況の変化は他国と比べると大きくなかった。 対象国はデータが得られるOECD34カ国であり、2000年代末のジニ係数が低い順に、スロベニア、デンマーク、ノルウェー、チェコ、スロバキア、ベルギー、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、ハンガリー、ルクセンブルク、フランス、アイルランド、オランダ、ドイツ、アイスランド、スイス、ギリシャ、ポーランド、韓国、エストニア、スペイン、カナダ、日本、ニュージーランド、オーストラリア、イタリア、英国、ポルトガル、イスラエル、米国、トルコ、メキシコ、チリである。 (2006年9月17日収録、2012年1月4日更新) |
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