日本と主要国の海外直接投資の推移を対内投資と対外投資についてグラフ化した(対GDP比)。

 日本の直接投資は対外投資が対内投資(対日投資)を一貫して大きく上回っている点が特徴である。対外投資については急激な円高進行を受け1980年代後半に企業の海外進出がさかんとなった時期に大きく投資の水準が上昇した。その後、バブル経済崩壊後に停滞したが、国際金融危機のあった2008年には急速に対外投資が拡大し、その後、急縮小した。

 2013年以降は、アベノミクスに伴う企業収益の改善が国内投資というより海外投資に向かい、過去のピークを上回る海外投資ブームが訪れている。しかし、2017年には、東芝や日本郵政の大型海外企業買収の失敗が明らかとなっており、もう一度、急落する可能性がある。

 対内投資も2000年前後から拡大してきている。もっともかなり拡大する時期のあとには収縮する時期が交互にあらわれるという動きを繰り返している。

 上に世界全体の直接投資額規模との対比を示したが、対外投資規模が世界平均を上回ったのは、バブル経済の時期と最近の時期のみである。

 米国、英国、フランスといった欧米諸国、あるいは韓国のように先進国では対内、対外ともに海外直接投資の水準が高まっているのに対し、日本は双方の全体水準が低く、対外が対内を大きく上回っている点が目立つ。

 韓国は2000年代後半から対外投資が急拡大し、対内投資を大きく上回る情勢である。

 中国、タイといったアジア諸国では対内直接投資を大きく引き入れて輸出主導型の経済成長を実現している点が特徴である。その他のアジア諸国を含め直接投資の流入の推移については図録8030参照。

 中国の資源獲得等を目的とした対外投資が注目されているが、確かに最近拡大傾向にある。

 1997年のアジア通貨危機の後、欧米資本は安くなったアジア等の企業をさかんに買収した(図録0700参照)。英国やフランスの対外直接投資がこの時期急増し、逆にタイなどでは対内直接投資が急増しているのはこうした動きのあらわれと見ることができる。日本にもバブル後の長期低迷した不動産等を欧米資本が買い漁る状況が見られた。

(2008年3月17日収録、2009年11月13日更新、2017年4月24日更新)


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