世界数十カ国の大学・研究機関の研究グループが参加し、共通の調査票で各国国民の意識を調べ相互に比較する「世界価値観調査」が1981年から、また1990年からは5年ごとに行われている。各国毎に全国の18歳以上の男女1,000サンプル程度の回収を基本とした個人単位の意識調査である。

 ここでは、日本調査における組織・制度への信頼度について、時系列結果を図録化した。(国際比較は図録5215参照)

 時系列的に比較可能な組織・制度を、2005年における信頼度の高い順に掲げると、新聞・雑誌、警察、自衛隊、テレビ、大企業、国連、環境保護団体、行政、労働組合、APEC、女性団体、政府、国会、政党、宗教団体である。

 新聞・雑誌やテレビなどジャーナリズム、メディアに対する信頼度が高く、国会や政党などの政治、あるいは宗教団体に対する信頼度が低いという基本構造は、ほとんど変わっていない。その理由についての私見は図録5215に掲げた通りである。

 傾向的な変化として目立っているのは、自衛隊への信頼度の上昇と労働組合に対する信頼度の低下であろう。

 自衛隊については、阪神・淡路大震災以降、内外の防災面で果たしている役割、あるいは米国における2001.9.11同時テロ後の国際協力活動などが影響していると考えられる。

 労働組合については、労働者の保護と言うより既得権益の擁護に傾いているというイメージによるものと思われ、組織率の低下(図録3810)ともリンクしている。

 2005年から2010年へかけても基本的には余り変化がない。警察と大企業が上昇、国連、APECといった国際機関が降下、また環境保護団体や女性団体が降下といった変化がやや目立つ程度である。

 警察への信頼度が2000年に大きく落ち込んでいるのも目立っているが、これは、1999年9月の神奈川県警の覚せい剤使用モミ消し事件以後、新潟の女性監禁事件に端を発した新潟県警および特別監察での一連の不祥事(県警本部長が深夜まで飲酒、マージャンをしながら事件の指揮)、女子大生刺殺事件で明らかになった埼玉県警上尾警察署の捜査の失態など、2000年にかけて不祥事が次々明らかになったためと考えられる。

 警察と同様大企業についても、信頼度が2000年に大きく落ち込んでいるのが目立っているが、これは、2000年夏、食中毒事件の雪印(6〜7月)、経営が破綻したそごう(6月)、リコール隠しの三菱自動車(7月)と日本を代表する名門企業が相次いで不祥事を起こした影響と思われる。

「世界価値観調査」日本調査概要
  時期 対象者 抽出方法 方法 有効回収 実査機関
第1回 1981年3月 全国18歳以上の個人 層化多段無作為抽出 訪問面接法 1,204 鞄本リサーチセンター
第2回 1990年9月 全国18歳以上の個人 層化多段無作為抽出 訪問面接法 1,011 同上
第3回 1995年11月 全国18歳以上の個人 層化多段無作為抽出 訪問面接法 1,054 同上
第4回 2000年7月 全国18歳以上の個人 消費者パネルからの国勢調査結果に基づく性・年齢別割当 郵送法 1,362 同上
第5回 2005年7月 全国18〜79歳の個人 消費者パネルからの国勢調査結果に基づく性・年齢別割当 郵送法 1,096 同上
第6回 2010年11〜12月 全国18〜79歳の個人 層化多段無作為抽出(18,19歳は割当法) 訪問留置法 2,443 同上
(資料)「世界価値観調査2010」日本結果速報(2011年4月東京大学・電通総研)

(2006年8月17日収録、2014年5月14日更新、7月22日調査概要表追加)


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