議会や自治体首長の選挙に立候補するためには供託金が必要であり、日本では供託金の額が世界一高い。衆院選小選挙区の場合、300万円が必要であり、しかも有効票の10分の1以上の得票がなければ没収される。総務省によると、2014年の衆院選の小選挙区では、154人の計4億6200万円が没収されたという(東京新聞2017.10.22、以下のコメントこれによる)。

 図には、日本の国会、および知事、市長などの地方自治体首長、そして地方自治体議会の選挙に立候補する時の供託金をOECD主要国の議会選挙の供託金と比較した。

 選挙の供託金がある国自体少数派だという。供託金訴訟の弁護団によるとOECD35カ国のうち供託金制度があるのは日本を含め13カ国にすぎない。

 しかも図のように、日本の供託金はずば抜けている。日本に次いで高いのは韓国の150万円であるが、日本の半分以下である。また、韓国を除くと10万円以下の国が多い。オランダとスロバキアの比例代表が100万円以上と比較的高いが、これは、比例代表名簿を提出する政党が納める額であって比較にならない。

 日本の供託金制度は、1925年の男性による普通選挙のための法律が制定されたときにできたという(有権者資格についての制度変遷は図録5230f参照)。このとき、泡沫候補や売名目的候補、選挙妨害候補を防止するため、あるいは無産階級の労働者の政界進出を阻止するために供託金制度ができ、それが、戦後にまで引き継がれてきたのである。

 日本国憲法第44条では、国会議員の立候補にあたって財産又は収入によって差別してはならないとしており、日本の供託金制度はこれに違反しているとして訴訟が起こっているが、この点についての国民の関心は必ずしも高くないようである。

(2017年11月6日収録)


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