衆議院総選挙政党別獲得議席の推移
  2003年 2005年 2009年 2012年 2014年 2017年
小泉政権 郵政選挙 民主へ
政権交代
自民が
政権回復
アベノミ
クス解散
国難突破・
民進党解体
議席数計 政党計 480 480 480 480 475 465
自民党 237 296 119 294 290 284
民主党(立憲/希望) 177 113 308 57 73 55/50
その他 66 71 53 129 112 76
小選挙区 自民党 168 219 64 237 222 218
民主党(立憲/希望) 105 52 221 27 38 18/18
その他 27 29 15 36 35 35
比例代表 自民党 69 77 55 57 68 66
民主党(立憲/希望) 72 61 87 30 35 37/32
その他 39 42 38 93 77 41
(資料)総務省自治行政局「衆議院議員総選挙結果調」(開票時所属政党)、2017年は毎日新聞2017.10.23(当選後党公認を含む)

   
1.2017年総選挙

 2017年10月22日投票の衆議院選挙は、消費税の一部を財政赤字解消から教育費の無償化に回すことの国民の理解を得るとともに(裏返せば予定通り消費税の引き上げは実施することに国民の賛同を得るとともに)、これまでの政権運営の信を問うとして安倍首相によって行われた衆議院解散を受けて実施された。国難突破解散と称されたが、解散の根拠薄弱、森友・加計問題隠し、政権の自己都合と批判されながらの選挙戦となった。

 1967年以降、公示直前に内閣支持率より不支持率の方が高かった衆議院選挙は、今回を除くと、1979年大平内閣、80年大平内閣、93年宮沢内閣、2000年森内閣、09年麻生内閣、12年野田内閣の6回あったが、首相が選挙中に急死して弔い合戦になった80年選挙を除けば、いずれも与党が敗北してきた。今回も安倍政権の支持率は選挙直前に不支持率を下回っており、自民党議席の大幅減が予想されていたが、新たに民進党からの合流議員を受け入れた「希望は小池百合子代表の「排除」発言を機に急失速。野党が分裂して政権批判票が割れ、自民に勝利が転がり込む格好になった。自民の石破茂元幹事長は「結果的に(漁夫の利が)起きたことは否めない」と指摘した」(毎日新聞2017.10.23夕刊)。

 自民党の獲得議席数は小選挙区と比例を合わせ284議席(自民党追加公認を含む)と前回の290議席から6議席減となったが、議員定数も今回475から465に削減されたので、議席占有率は、前回とほぼ同じ61.1%となった。

 小選挙区における自民党の得票率、議席占有率は前回とほぼ同じだった。一方、希望の党が生れ、野党共闘が崩れたので、得票率では立憲民主党と希望の党を合計すると前回の民主党を大きく上回ったにもかかわらず、議席占有率ではほぼ前回水準に止まっている。比例票では立憲民主党と希望の党を合計すると自民党を上回っていた(図録5231参照)。

小選挙区の得票率と議席占有率(2017年)
  自民党 立憲
民主党
希望の党 自民/
立憲+希望
得票率 48.2% 8.8% 20.6% 1.6倍
議席占有率 75.4% 6.2% 6.2% 6.1倍

 野党がまとまらなかったので自民圧勝という結果につながったことは、もともと保守王国と言われていた新潟県や佐賀県では、野党が乱立を回避して、自民党と一対一の構図に持ち込めたため、それぞれ、野党系候補が4勝2敗、2勝0敗で与党に対し大きく勝ち越したことからもうかがえる(東京新聞2017.10.25)。

2.2014年総選挙

 2014年12月14日投票の衆議院選挙は、アベノミクスなどこれまでの政権運営の信を問うとして安倍首相によって行われた衆議院の解散を受けて実施された。念のため解散などとも呼ばれ、総選挙実施の理由については政権の自己都合と批判された。選挙の争点がはっきりせず、野党が四分五裂で求心力をもたなかったため、、投票率は52.66%(小選挙区、確定)と過去最低となった。選挙結果は前回に続き自民党の圧勝となった。自民党の獲得議席数は小選挙区と比例を合わせ291議席(自民党追加公認1議席を含む)と前回の294議席から3議席減となったが、議員定数も今回480から475に削減されたので、議席占有率は、前回と同じ61.3%となった。小選挙区で自民党の得票率が前回より上がったのに、議席占有率は下がったのは、野党共闘が一定の成果を見たからとされる。自民党はむしろ比例票の伸びで議席を確保したといってよい(比例票の推移は図録5231参照)。

小選挙区の得票率と議席占有率(2014年)
  自民党 民主党 自民党/民主党
得票率 48.2% 22.5% 2.1倍
議席占有率 75.6% 12.9% 5.9倍

3.2012年総選挙


 2012年12月16日投票の衆議院選挙は「民主党ダメだし」が基調の結果となり、民主党は公示前230議席から57議席への惨敗、一方、自民党は118議席から294議席への圧勝となった。第3極への結集はならず多党乱立のなか、小選挙区制のロジックに従って自民党が圧勝という結果となったのである。圧勝した自民党の複数の幹部は自分たちに風が吹いたからというわけではないと正直にコメントしている。それにしてもグラフはかつてない議席数の激動を示しており、小選挙区制度の容赦ない効果をうかがわせている。

小選挙区の得票率と議席占有率(2012年)
  自民党 民主党 自民党/民主党
得票率 43.0% 22.8% 1.9倍
議席占有率 79.0% 9.0% 8.8倍

4.2009年総選挙

 2009年8月30日投票の衆議院選挙は「政権交代」がテーマとなり、民主党は公示前115議席から308議席への大躍進、自民党は300議席から119議席への大敗となった。この結果、自民党の議席占有率は24.8%とかつてない低い割合となった。

小選挙区の得票率と議席占有率(2009年)
  自民党 民主党 民主党/自民党
得票率 38.7% 47.4% 1.2倍
議席占有率 21.3% 73.7% 3.5倍

 民主党は小選挙区での得票率は5割以下であったが議席数では7割以上、また自民党は得票率4割近くを獲得するも議席は2割と、得票率の差以上に議席数の開きが出る小選挙区制の特徴が顕著に表れたといえる。

 2005年9月の郵政解散をうけた衆議院選挙で自民党は296議席を獲得し、議席占有率は61.7%にのぼり、マスコミは歴史的勝利と報じた。もっとも結党時には64.0%、池田勇人首相が所得倍増計画を打ち出していた頃の1960年の総選挙では63.4%と、これを上回っていた。

 自民党の衆議院の議席占有率がはじめて単独過半数の5割を下回ったのは、ロッキード選挙といわれた1960年の総選挙においてであった。

 93年には、宮沢内閣の不信任案可決後の解散・総選挙において羽田派や若手が大量離脱して新政党、新党さきがけなどを設立したため、自民党は惨敗し、占有率は43.6%と過去最低の水準にまで落ち込み、結党以来38年で、はじめての野党を経験するに至った。

 その後、1年もたたないうちに社会党、さきがけと連立し、政権復帰し、自民党は政権に止まり続けているが、その後、3回の選挙では、いずれも過半数割れとなっていた。

 1996年以降は小選挙区比例代表並立制に移行したが、その結果、2005年の総選挙では、大疑獄事件や社会運動の高まりが特段なかったにもかかわらず、郵政民営化についての国民の意向の変化が大きく影響して自民党圧勝となり、2009年の総選挙では、逆に、年金記録問題など官僚不信や3度にわたる選挙を経ない首相交替への批判などから一挙に自民党大敗となったことが図から明解である。

(2005年12月7日収録、2009年9月8日更新、2012年12月18日更新、2014年12月15日更新、12月18日政党別獲得議席数の表を追加、2017年10月23日・24日・25日更新)


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