日本標準産業分類が2002年10月から新分類(第11回改定)に移行、その後2009年1月からさらに新々分類(第12回改定)へ移行したので景気変動の産業別の内容も労働力調査の結果から見やすくなった(図録5245、図録5247参照)。労働力調査の産業別就業者数については新分類への移行前のデータについても遡及推計がなされている。

 就業者数総数の増減では、2007年の下半期から景気後退局面に入り、2008年下半期から2008年秋のリーマンショックの影響による世界経済の低迷に伴い景気が一層悪化。その後、2009年下半期をボトムに、2010年上半期、下半期と持ち直し、2011年に入って低迷といった状況がうかがえる。

 産業別就業数から見ると2009年のリーマンショックの影響による世界経済の低迷に伴う景気悪化は、製造業の減少による影響が非常に大きかった状況が分かる。

 製造業以外では、公共事業の縮減や人口の減少にともない建設業のマイナスが続いている。しかし、2011年3月の東日本大震災に伴う復興需要のため同年上半期、下半期には建設業の就業者数はほぼプラスマイナスゼロと改善された。

 サービス業(4分類)も2009年上半期から減少が続いているが、労働力調査においては派遣労働者が派遣先の産業ではなく4分類の1つの「サービス業(他に分類されないもの)」に分類されており(コラム参照)、2009年にはいわゆる派遣切りの影響、その後は派遣労働の規制強化へ向かう動きの中で契約労働やパート労働にシフトしているため減少が続いていると思われる。なお民主党のマニフェストにそって登録型派遣や製造業派遣を原則禁止とする労働者派遣法改正案の成立を目指されたが、自民党や公明党との協議の中で、2011年末には、他のマニフェスト項目と同様に取り下げられることとなった。実際、2011年上期にはサービス業(4分類)の減少は止まった。

 この間、一貫して、就業者数を増加させているのは、医療・福祉部門のみである。宿泊・飲食も2009年上半期からは増加に転じている。しかし、2011年上期には、情報通信はマイナスに転じ、宿泊・飲食も東日本大震災の影響もあって減少に転じ、下期もこうした傾向が続いている。

【コラム】派遣労働者の産業分類

 労働力調査においては、「労働者派遣事業所の派遣社員については,派遣元事業所の産業について分類しており,派遣先の産業にかかわらず派遣元産業である「サービス業(他に分類されないもの)」に分類している。なお,派遣先の産業については調査していない。」とされる(労働力調査 調査結果利用上の注意)。

 一方、国勢調査では、「労働者派遣法に基づく派遣労働者は,平成17年以前の調査では,「労働者派遣業」に分類していましたが,22年調査から,派遣先で実際に従事する産業を基に分類します。」とされている(労働・就業の状態に関する用語)ので注意が必要である。

(2004年6月4日収録、2005年7月12日・7月29日・2006年4月28日・2007年1月29日更新、2009年3月4日・9月16日更新、2010年2月22日更新、2010年8月2日更新、2011年3月10日更新、12月29日更新、2012年1月31日更新)

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関連図録
3150 労働力不足・労働力過剰の状況推移
5245 産業分類の新旧対照表と新産業分類別就業者数
5247 産業分類の新旧対照表(2008年4月適用)
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