発売から40年以上のロングセラー食品としては、明治時代から続く三ツ矢サイダーやカゴメケチャップ、大正時代から続くミルクキャラメル、カルピス、昭和戦前期から続くビスコ、ヤクルト、戦後高度成長期から続くお茶づけ海苔、チキンラーメンなどがある。

 年長の日本人にとっては、懐かしい食品ばかりである。ロングセラーを継続するために、ネスカフェのように製法そのものを進化させたり、ボンカレーのように湯煎から電子レンジ加熱に合わせた商品内容見直しなど、時代に適合させる努力が払われている一方で、かっぱぺびせんのように一度変えた味(エビ増量)を元の味に戻したりする試行錯誤がなお行われている。

発売から40年以上の主なロングセラー食品
発売年 商品名 会社名 備考
1884 三ツ矢サイダー アサヒ飲料  
1908 カゴメトマトケチャップ カゴメ  
1913 ミルクキャラメル 森永製菓  
1919 カルピス カルピス  
1922 グリコ 江崎グリコ グリコ歴代のおまけと歴史
年代 おまけ 画像(江崎グリコHP) 事項
1922
〜26年
たばこカードをヒントにした絵カード 1921薬種業を営んでいた創業者江崎利一がグリコーゲン入り(商品名の由来)の栄養菓子であるハート型キャラメル発売を目指し佐賀から大阪へ移転し江崎商店設立(赤箱、ゴールインマーク、1粒300メートル突は当初より)
1922グリコ三越で初販売(2月11日江崎グリコ創立記念日)
1927
〜34年
1930大阪造幣局で作られたメダルが人気 1927豆玩具を封入。おまけつきグリコの誕生
1929おもちゃ小箱(下部)ができる
1935
〜40年
オリジナルのおもちゃ登場 1935大阪ミナミの戎橋にゴールインマークのネオン塔建設(高さ33メートル)
1937上部におもちゃ小箱
1941
〜42年
戦争により材料が乏しくなり、紙や粘土が主流 1942グリコ生産中止(7月)
1947
〜48年
物資不足のためクレヨン、消しゴム、チョークなど実用品が人気 1947グリコ生産再開
1949
〜52年
物資統制時代がおわり連結できる乗り物や指輪、人形など種類が豊富に 1950おもちゃ小箱復活
1953
〜57年
セルロイド登場、色鮮やかに。木とブリキの組み合わせの精巧なおもちゃ加わる 1953製造上の理由からハート型が角形へ
1955大人向けグリコとして「アーモンドグリコ」発売(“1粒で2度おいしい”)
1958
〜66年
セルロイドに代わりプラスチックが登場。1965年ごろからは鉄人28号、遊星少年パピイなどアニメキャラクターが登場 1962年には男の子用、女の子用とわけておもちゃを入れるようになる
1967
〜80年
プラスチックが主流に。1974年ごろからは、動きや形に変化があるカラフルで大きなおもちゃに 1972創立50周年記念事業の一環として「江崎記念館」を設立
1981
〜86年
男の子用はSF、女の子用はメルヘンが主流 1984グリコ・森永事件
1985ハート型成型・包装機の開発に成功。ハート型のグリコが復活
1987
〜93年
おもちゃ作家による創作おもちゃ、手づくり感のあるおもちゃが中心に 1992ロゴ変更(旧:ゴシック体「Glico」→新:筆記体「glico」)。
1994
年以降
組み合わせて遊ぶブロック玩具やスポンジと紙で組み立てる動物といったシリーズが主流に。1998年「木のおもちゃ」のシリーズでは木のぬくもりが好評 1998年大阪・戎橋のグリコ巨大ネオン看板が6代目にリニューアル(2003大阪市指定景観形成物に)
2014年グリコ看板LEDにリニューアル(下の図参照)
(資料)江崎グリコHP「江崎記念館」、月刊なるほドリ2014年3月(毎日小学生新聞2013年1月26日)

(資料)東京新聞2014.10.24ほか ↑クリックすると江崎グリコHP「道頓堀グリコネオン」展ニュースページへ
1924 元祖柿の種 浪花屋製菓 柿の種から柿ピーへ
大正年間 浪花屋製菓(長岡市)が女将さんが偶然踏んでしまって出来た半円形の抜き型で「柿の種」の形を作り商品化
1966年 豆屋がピーナツの増量材として柿の種を使っているのを見て亀田製菓(新潟県亀田町)の社長が「ピーナツ入り柿の種」(以下「柿ピー」と略)の発売を決定
1977年 食べやすく6つの袋に小分けした6分包の柿ピー発売開始
1986年 柿ピーのピーナツを小粒の米国産から大粒の中国産に変え、重量比率も7:3から6:4に。他の比率も商品化したが6:4のみ売れる
1980年代後半 缶ビール・ブームに乗って柿ピーが飛躍的に売れ出す
2003年 「柿の種」市場の亀田製菓のシェア63%
2013年 亀田製菓、2008年から販売していた「柿の種」(商品名「カメダ・クリスプ」)について対小麦アレルギーのグルテンフリー・ブームに対応した製法を開発し、人気上昇(毎日新聞2015.7.5)
(資料)堀井憲一郎「ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎 」文芸春秋、2013年、p.195
1925 キューピーマヨネーズ キューピー  
1931 都こんぶ 中野物産  
1933 ビスコ 江崎グリコ  
1935 ヤクルト ヤクルト本社  
1951 ミルキー 不二家  
1952 お茶づけ海苔 永谷園  
1957 コカ・コーラ 日本コカ・コーラ  
1958 チキンラーメン 日清食品 即席麺(インスタントラーメン)略史
1958年春 東明商行、スープに浸した麺を油で揚げ乾燥させた味付け即席麺「長寿麺」販売
1958年8月 サンシー殖産(現、日清食品)、スープを吹き付けた麺を油で揚げ乾燥させた味付け即席麺「チキンラーメン」販売
1960年 長寿麺、第五次南極観測隊の保存食
1961年8月 日清食品創業者安藤百福氏、東明商行張国文氏から長寿麺の特許を買い取り
1962年 スープ別添タイプのインスタントラーメン登場
1971年 カップヌードル発売(袋麺に加えてカップ麺登場)
2003年 チキンラーメンに「たまごポケット」の発明
(資料)東京新聞2015年6月12日ほか
1958 シーチキン はごろもフーズ  
1960 ネスカフェ ネスレ日本 2013年にインスタントコーヒーからレギュラーソリュタブルコーヒーにジャンル切り替え
1960 のりたま 丸美屋食品工業  
1963 バーモントカレー ハウス食品  
1964 かっぱえびせん カルビー ◇かっぱえびせんの歩み
1949年 カルビー前身の松尾糧食工業設立
1955年 「かっぱあられ」発売。「カルビー製菓」に社名変更
1964年 「かっぱえびせん」発売(「かっぱあられ」のシリーズ27番目)
1966年 東南アジア・ハワイ輸出開始
1969年 「やめられない、とまらない」CM開始
1970年 年間売り上げ100億円を突破
1973年 「カルビー」に社名変更
1986年 フレンチサラダ味発売
2003年 塩分を抑えた「1才からのかっぱえびせん」発売
2006年 瀬戸内希少天然エビを使った「かっぱえびせん匠海(たくみ)」
(西日本事業本部開発)のインターネット販売(翌年から全国で店頭販売)
2007年 エビ増量は不評につき元に戻す(東京新聞)
2014年 チョコでつつんだ「かっぱえびせんYUTTE」(中日本事業本部開発)
バレンタイン向け限定販売(1月)
(資料)毎日新聞2014年1月3日、日経MJ2014年3月19日(2006、2014)
1964 味ぽん ミツカン ◇味ぽんの歩み
1804年 中埜酢店(現ミツカングループ本社)の創業者が酢づくりを開始
1960年 「ぽん酢」発売
1964年 「ぽん酢<味つけ>」(現「味ぽん」)関西限定発売
1967年 商品名を「味ぽん酢」に変更(CMでは「味ぽん」と呼称)
1977年 姉妹品「ゆずぽん」発売
1979年 商品名を「味ぽん」に変更
1989年 家庭用ぽん酢商品の年間出荷量5000万本(360ml入り換算)突破
1990年 CMに西田敏行さん起用
2001年 CMに唐沢寿明さん起用
2011年 姉妹品「ぽんジュレ」発売
(資料)毎日新聞2014年1月3日
1964 ガーナミルクチョコレート ロッテ チューインガムを主力としていたロッテがチョコへの進出にあたり「もっとまろやかなコクのある風味」で先行商品と差別化することを目指し、欧州最高峰のチョコ技師と呼ばれたスイス人マックス・ブラック氏を招聘し、工場設計から原料選択まで全ての工程を一任して開発した商品(東京新聞2014年1月9日)
1965 オロナミンC 大塚製薬  
1966 ポッキー 江崎グリコ 1966年発売のチョコレート菓子。板チョコがチョコ市場を席巻していた時代に、細長い棒状のプレッツェルをチョコで包み、持つ部分を残すという発想がうけて大ヒット。現在、国内で年2億箱、海外約30カ国で年3億箱を販売し、グリコによると、発売以来の累計で100億箱を突破しているという。グリコは2012年にスイス・ネスレの「キットカット」や米モンデリーズの「オレオ」に肩を並べる菓子にするという「ポッキー世界ブランド化計画」を宣言(朝日新聞2014年1月22日)。1972年に生産を開始したタイでは、菓子市場は、腹を満たすためのものという位置づけからビスケット類が中心。甘くないスティックにチョコレートを薄く塗ったポッキーは、適度な甘さと手軽さが受けオレオやキットカットを寄せ付けず、ビスケット部門1位の座を堅持(同1月20日)。
1968 ボンカレー 大塚食品 現在1978年発売のボンカレーゴールド(初代ボンカレーは沖縄販売のみ)
1968 カール 明治  
1973 キットカット ネスレ日本  
(資料)東京新聞2013年10月19日ほか

 2013年9月に2020年夏季五輪の開催都市が東京に決定したことを受けて、1964年の東京五輪を振り返る新聞記事も多くなった。東京新聞に1月6日から連載された「1964年に生まれて−東京五輪半世紀−」もこうした記事の1つである。連載記事のテーマは、@名菓 ひよ子「首都の顔」上京(もともとは1912年に福岡県飯塚市の吉野堂で生まれたお菓子)、Aブラジャー企業トリンプ日本上陸、C平凡パンチ創刊、Dガーナミルクチョコレート誕生、E日本武道館(東京五輪柔道競技会場として建設)、である。Dでは、1964年生まれのロングセラー商品として以下のような例が掲げられた。

1964年に誕生したロングセラー商品(社名は現在)
ガーナミルクチョコレート(ロッテ)
かっぱえびせん(カルビー)
ネクター(不二家)
ハイクラウンチョコレート(森永製菓)
ライオネスコーヒーキャンディー(ライオン菓子)
ワンカップ大関(大関)
(資料)東京新聞2014年1月9日

(2013年10月26日収録、11月19日柿の種情報追加、2014年1月3日かっぱえびせん、味ぽん情報追加、1月9日・10日ガーナミルクチョコレート、1964年誕生のロングセラー商品追加、1月22日ポッキー追加、2月28日グリコ追加、3月19日かっぱえびせん年表拡充、10月24グリコ看板変遷図追加、2015年6月12日チキンラーメンに年表追加、7月5日柿の種改訂)


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