日本の広告費の総額や内訳については、我が国を代表する広告代理店である電通が集計し公表しており、政府の統計集などにも、これが採用されている。

 2010年の日本の広告費は、5兆8,427億円であり、GDP比1.22%であった。広告費がGDPと比例して増減するのは当然であるが、間接費としての役割から、またご祝儀相場的な側面をあわせもつ広告というものの性格上GDPよりも振幅が激しくなると考えられる。

 バブル経済期の1990年には対GDP比が1.26%のピークを記したが、その後の景気低迷で93〜94年には1.06%まで落ち込んだ。その後は、ゆるやかに回復し、近年は横ばい状態にあったが、2008年以降、世界的な経済低迷に突入したことにより3カ年にわたって大きく落ち込んでいる。

 媒体別には、新聞、テレビなどのマスコミ広告費と折り込みチラシ、車中広告やダイレクトメールなどのプロモーションメディア広告費、及びインターネット広告費(モバイル広告を含む。05年からサイト制作費等を含めた値が公表。)に大別されるが、テレビの増加と最近ではインターネットの急増、そして新聞広告費の縮小傾向が目立っている。

 90年当時はテレビと新聞は広告費でそれほどの違いはなかったが、最近では、テレビが新聞の2倍以上の広告費となっており、対照が著しい。

 もっともテレビも10年はやや回復したが昨年まで5カ年連続して広告費を減少させており、同じく連続して広告費を減少させている新聞、雑誌、ラジオとともにマスコミ広告費は総じて退潮が否めない。

 2004年の特徴として報じられたのは、増加を続けるインターネットの広告費が、ブロードバンドの普及を背景に、1,814億円とはじめて既存メディアのラジオ広告費の1,795億円を上回ったことであった。折しも、インターネット・メディアのライブドアがラジオ放送会社であるニッポン放送に対して、M&Aを仕掛け、ニッポン放送を含むフジ・サンケイ・グループ全体が防御措置を講じていたが、その背景をなす経済環境の変化をあらわしている。

 その後も引き続き、インターネット広告費が急増しており、2007年には6,003億円と雑誌広告費を抜き去り、2009年には7,069億円と新聞広告費の6,739億円を上回る伸びを示している。2010年も引き続きインターネット広告費の伸び(9.6%増)は他のメディアを上回っている。

 この他、新たな媒体としてフリーペーパー・フリーマガジンも拡大傾向ないし相対的拡大傾向にあり、2009年には雑誌全体と広告費でほぼ同格となったが、その後は伸びていない。

 国民の平均メディア利用時間が新聞をインターネットが上回っており、こうした変化が広告費にも影響していると考えられる(図録3960参照)。

 インターネット広告費の日米比較について図録5655参照。

 なお、英エコノミスト誌によると英国の場合は2009年にインターネット広告費がテレビ広告費を上回っている。「英国では、テレビ広告比率の人為的規制の影響があるものの、テレビ広告費をオンライン広告費が今や上回っている。」(The Economist May 1st 2010)

(2005年3月19日収録、12/23コメント追加、2006年2月21日・2007年2月21日、2008年2月21日更新、2009年2月24日更新、2010年2月23日更新、5月19日英国情報追加、2011年2月24日更新)

サイト内検索
関連図録
3957 新聞を読まなくなった日本人
3960 1日当たり平均メディア利用時間:テレビ・新聞・インターネット
3964 人気テレビ番組ベストテン
3970 新聞各紙全面広告ページ比率
5652 日刊新聞の広告収入比率と広告収入増減率(国際比較)
5654 オンライン広告の国際比較
5655 インターネット広告費の日米比較
5657 テレビ・新聞雑誌やインターネットでCMや広告を見る頻度
5660 女子アナ出身大学ランキング
6200 パソコンとインターネットの普及率の推移
図録書籍 内容・目次