欧米へのキャッチアップ期をすぎた日本経済の再生にとって、企業の研究開発力を高めることが産業競争力向上の観点から極めて重要であると言われはじめて久しい。

 ところが、どのようなR&D(研究開発)が有効なのかなどについての研究は余り進んでいない。特に制度の異なる国の間での比較については重要性の割には分からないことが多い。

 その理由の1つとして、R&D先進国の米国における規模別R&D額(研究開発費)の集計が1998年まで500人未満でひとくくりになっていた点をあげることができる。この点を反省して、最新版の1999年実績の集計からは、かなり細かい従業者数規模の集計が発表されるようになった。そこで、日米の企業規模別のR&D額の対売上を対比したグラフを作成した。

 これを見ると日本では企業規模が大きいほどR&Dが活発であるのと対照的に、米国では小規模企業の方がR&Dが活発である。研究開発に関しては、成果を独り占めに出来ることなどから大企業に有利とするシュンペーター仮説が有名であるが、日本に当てはまり米国では当てはまらないようにも見える。

 シュンペーターの生きていた大企業の時代(チャンドラー)では当てはまったことが、M&Aや市場公開でベンチャー企業がR&Dを利益に転換する道が開けた現代ではもう当てはまらなくなったという時代転換を示唆しているとも思える。


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