米国のイノベーションがますますアジアを中心とする外国人の研究者に支えられるようになっており、またアジア途上国における新産業集積が、帰国した米国留学生によるシリコンバレーなど米国研究開発拠点とのつながりで生じていることが注目されている(アナリー・サクセニアン「最新・経済地理学」参照)。

 ここでは、1919年の創立以来、米国における外国人留学生と米国人海外留学生について全数調査を行っている米国の国際教育協会(IIE)の資料にもとづき、米国におけるアジア留学生の推移をグラフにした(エンジニアリングなど理工系の他、経営学など人文科学系も含む)。

 米国における外国人留学生のうちアジアからの留学生の比率(主要5カ国の比率)は1995/96年の40.9%から、2009/10年に5割を越え、2013/14年には54.8%を占めるに至っている。

 なかでも当初はインド、韓国、そして近年は中国からの留学生の伸びが大きくなっている。

 日本は、1995/96年には、インド、中国、韓国、日本、台湾という主要5カ国の中で最大の留学生を米国に送り込んでいたが、中国、インド、韓国、そしてついに台湾にも抜き去られ、実数自体も減少している状況である。日本の留学適齢人口が減る中、留学先も米国依存から脱し多様化、アジアシフトが起こっているためであるが(図録6140参照)、この図と同様のグラフは日本人学生の内向き志向(図録3184参照)を示すものとしてしばしば引用されている。

 下にアジア留学生のアカデミック・レベルを図示したが、留学生の中味も、インド、中国は4〜6割が大学院生、台湾で約5割、韓国でも約3割が大学院生であるのに対して、日本は大学院生が2割弱と少ない。

 米国とアジアをむすぶ情報通信などハイテク産業のグローバルなイノベーション・ネットワークから日本が取り残されている感はぬぐい得ない。

 なお、日本、台湾は1990年代半ばから減少傾向が続いているが、伸び続けている中国とは対照的に、韓国、インドも、それぞれ、2008/09年、2009/10年から米国留学生は減少に転じており(インドは2013/14は増加したが)、中国のシェア拡大がそれだけ目立つ結果となっている。こうした動きをどうとらえたらよいのだろうか。

(2008年6月18日収録、2010年6月1日更新、2011年5月1日コメント加筆、2012年5月24日更新、2014年6月21日更新、2015年10月9日更新)


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