グローバリゼーション指標の1つとして海外留学生が多いかどうかがあげられる。この場合、各国人学生のうち何%が海外に留学しているかという送出比率と国内で学ぶ学生・大学院生のうち何%が海外留学生かという受入比率の両面がある。ここでは、両方をOECD諸国およびそれ以外についてグラフにあらわした。

 OECD平均では海外留学生の送出比率は1.6%、受入比率は6.4%と受入が送出を超過している。OECD諸国のほとんどは先進国なので途上国から留学生を受け入れている割合が大きいため、こうした受入超過になると考えられる。

 日本は送出比率0.9%、受入比率3.4%とそれぞれ平均の半分程度と低くなっており、国際化が立ち遅れていることを示している。特に、送出比率は下から4番目の非常に低い値となっており、最近の若者は覇気がなく、海外雄飛しないドメスティック型が多いという言説を裏づける結果となっている(図録3184参照)。

 もっとも米国の留学生送出比率は0.3%と日本よりさらに低くなっている。米国の場合は、わざわざ、海外に留学しなくとも世界最高水準の勉学が国内で可能だ(と信じられている)という点で日本とは事情が異なるともいえる。

 送出、受入ともに世界一なのはルクセンブルクであるが、これはルクセンブルクがヨーロッパにおいて国内の一都市のような性格が強いからといえる(図録4540コラム参照)。

 送出比率では、ルクセンブルクに次いで、スロバキア、アイスランド、アイルランド、ラトビア、ノルウェー、エストニアと続いている。これらの国は、送出比率が受入比率を上回っており、OECD諸国の中では、日本において東京など大都市圏に学生を送り出す地方圏のような存在だということができよう。

 受入比率の高い国はルクセンブルクに次いでニュージーランド、オーストラリアといったオセアニア諸国や、英国、スイス、オーストリアといった国々である。高学歴人材の流入を促す意味で海外留学生を積極的に受け入れている国々といえよう。

 アジアの中では韓国は送出比率が3.3%と高く受入比率は1.6%と低くなっており、日本とは逆の対照的な姿となっている。

 米国は送出比率がOECD最低であるほか、受入比率も4.2%とそれほど高くない。しかし、母数が大きいので留学生受入人数は世界で最大である(図録6150、図録6165参照)。

 ロシアの場合、送出割合は低い割に、受入割合が高いという特徴がある、これは、かつて旧共産圏諸国からの留学生が多かった伝統があることや今でも旧ソ連圏からの留学生が多いからだと考えられる。

 図の順番で取り上げた国を列挙すると、ルクセンブルク、スロバキア、アイスランド、アイルランド、ラトビア、ノルウェー、エストニア、スイス、ドイツ、イスラエル、オーストリア、スウェーデン、フランス、カナダ、韓国、チェコ、ポルトガル、フィンランド、イタリア、ベルギー、スロベニア、ハンガリー、ニュージーランド、オランダ、デンマーク、スペイン、英国、ポーランド、オーストラリア、トルコ、日本、メキシコ、チリ、米国、サウジアラビア、中国、コロンビア、南アフリカ、ロシア、インドネシア、ブラジル、アルゼンチンである。

(2016年11月21日収録)


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