輸送量の1指標として輸送重量に輸送距離を掛け合わせた輸送トンキロが用いられる。輸送機関ごとの輸送トンキロのシェアを分担率という。

 自動車と鉄道と内航海運の輸送トンキロ分担率は、2005年度に、それぞれ、58.7%、4.0%、37.1%であった(この他航空が0.2%)。

 1966年度からの推移を見ると鉄道は大きく分担率低下、自動車は大きく分担率上昇、内航海運は、オイルショック後、省エネ効果で大きく上昇したが、その後長期的に低迷という特徴がある。

 品目別に見ると、鉄鋼、石油製品、セメントといった素材製品では、重量貨物でありまたロットが大きいため内航海運のシェアが圧倒的に大きく、逆に、輸送の小口多頻度化が進んでいる野菜・果物、あるいは機械といった製品ではトラックと比べ遅いが安く大量に運べるという内航海運の特性を余り生かせず、その結果、シェアが小さいという特徴がある。

 内航海運のシェア(分担率)がオイルショック後、長期的に低下してきた要因としては、産業構造の変化に伴って、日本全体の輸送貨物の品目構成が素材製品から機械・組立製品に大きくシフトしたという要因が大きく、それぞれの品目では決してシェアが低下しているわけではない。これは、各品目の分担率シェアの単純平均の推移を計算してみると、一貫して横ばいでやや上昇傾向にあることから明らかである(下の参考図参照)。

 特に2000年度、2001年度は、2カ年続けて内航海運の分担率が上昇しているが、重量貨物(鉄鋼がほとんどの「金属」など素材製品、及び石灰石が中心の「非金属鉱物」)の輸送量シェアが一貫して低下しているにもかかわらず、品目ごとのシェアが上昇している効果であり、いわゆるモーダルシフトが進行しているためと考えられる。2003年度は重量物シェアが急落したので分担率は低下した。

 2003年9月には大型トラックにスピードリミター装着義務づけ、10月には、東京都「環境確保条例」に基づくPM排出基準規制開始、同じく10月日本経団連「安全運送荷主行動指針」に基づく過積載抑制、など環境、安全面から陸上輸送コストが高くなったことにより、海運シフトが起こるとも予測されたがデータ上はモーダルシフトは見られなかった。

 2004〜05年度はモーダルシフト進捗度が低下し、分担率の低下傾向に歯止めがかからなかった。これが一時的なものかはなお観察を続ける必要がある。また2004年以降の石油高騰の影響もなお見定めがたい。

 明治以降の貨物輸送全体の分担率の長期推移と最近の輸送距離帯別の分担率の動きについては、図録6480参照。

(参考図)


(2004年度6月29日データ更新、2008年4月10日更新)



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