若い福岡市市役所職員の飲酒運転により、三児が亡くなる追突事故が2006年8月25日に起こってから、飲酒運転の害に対する全国的な反響が巻き起こった。

 研究によれば、クルマの衝突リスクは、アルコールの血中濃度0.5g/lで2倍に、0.8g/lで7〜8倍に、そして、1.5g/lでさらに30倍になるとされている(OECD/ECMT, Achieving Ambitious Road Safety Targets - Country Reports on Road Safety Performance, August 2006)。

 ここでは、飲酒運転による交通事故死の割合の国際比較を行ったグラフを掲げた。

 メキシコ、チェコといった1〜5%の低い水準の国から、カナダ、スロベニア、米国、フランス、アイルランド、ニュージーランドといった30〜40%の高い水準の国まで幅が広くなっている。日本は、10%強と27カ国・地域中18位と低い部類のグループに入る。

 アルコールが好きな国民かどうかとは必ずしも一致しない(図録1970参照)。フランス、アイルランドはアルコール摂取量の多い国であり、かつ飲酒運転による死亡比率も高いが、飲酒運転による死亡比率が高いカナダ、米国はアルコール摂取量は少ない。チェコはアルコール摂取量は多いが、飲酒運転による事故は少ない。

 なお、統計の基礎となっている飲酒運転の定義であるが、国により以下の表のように、法的に定められたアルコール血中濃度の上限値が異なっており、事故死が起こった場合の調査方法の違いと相俟って、飲酒運転の国際比較には、注意が必要と思われる。日本の法的上限値は0.3g/lと他国と比べて厳しく、特にカナダなど英語圏諸国と比較して半分以下となっている。他国については、日本並みの基準にすれば、さらに飲酒運転の事故死割合は上昇すると考えられる。

飲酒運転かどうかのアルコール血中濃度上限値
米国 0.8g/l 21歳未満0.2g/l 州法で強化
カナダ 0.8g/l 見習い中0.2g/l
英国 0.8g/l
フランス 0.5g/l バス運転手0.2g/l
ドイツ 0.5g/l
韓国 0.5g/l
日本 0.3g/l
スウェーデン 0.2g/l
(資料)OECD/ECMT, Achieving Ambitious Road Safety Targets - Country Reports on Road Safety Performance, August 2006

 この図録の対象国は27カ国・地域、飲酒運転による交通事故死比率の高い順に、カナダ、スロベニア、米国、フランス、アイルランド、ニュージーランド、デンマーク、フィンランド、オーストラリア(WA)、ラトビア、オーストラリア(Vic)、スイス、英国、ハンガリー、ウクライナ、アイスランド、リトアニア、日本、モルドバ、トルコ、ベルギー、オーストリア、ブルガリア、チェコ、ポルトガル、ルーマニア、メキシコである。

(2006年10月24日収録)


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