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 市区町村別の平均寿命については、各地域の前後3年間の年齢別死亡数をもとに厚生労働省によって算出されている。出所は厚生労働省の市区町村別生命表である。

 表示選択で年次が古いが男女別の市区町村別の平均寿命を日本地図にあらわしたものを掲げた(男の拡大図女の拡大図)。

 平均寿命の高い地域は赤と黄色で示されているが、男の場合、東京、神奈川、長野、静岡、愛知など日本の中央部に平均寿命の高い市区町村が多いことが分かる。

 女の場合、長野は男と共通だが、男と異なり、沖縄や島根、広島など中国地方にもかたまって平均寿命の高い地域がある。また男と異なり平均寿命の高い地域が分散的に広がっているのが分かる。

 最新2015年データについて、男女別に上位20市区町村、下位20市区町村の平均寿命を見ると、トップと最下位の差は男は9.8(9.8)歳、女は4.6(5.2)歳となっている(カッコ内は2010年)。

 男の上位20位は、平均寿命の高い順に、横浜市青葉区(神奈川)、川崎市麻生区(神奈川)、世田谷区(東京)、横浜市都筑区(神奈川)、草津市(滋賀)、吹田市(大阪)、箕面市(大阪)、大町市(長野)、生駒市(奈良)、川崎市宮前区(神奈川)、岡谷市(長野)、長岡京市(京都)、川西市(兵庫)、杉並区(東京)、宝塚市(兵庫)、熊本市東区(熊本)、京都市左京区(京都)、流山市(千葉)、国分寺市(東京)、長野市(長野)である。

 男の下位20位は、平均寿命の低い順に、大阪市西成区(大阪)、大阪市浪速区(大阪)、平内町(青森)、むつ市(青森)、中泊町(青森)、東北町(青森)、階上町(青森)、深浦町(青森)、平川市(青森)、大阪市大正区(大阪)、川崎市川崎区(神奈川)、大鰐町(青森)、蓬田村(青森)、黒石市(青森)、大阪市東住吉区(大阪)、横浜町(青森)、佐井村(青森)、奄美市0(鹿児島)、七戸町(青森)、天城町(鹿児島)である。

 女の上位20位は、平均寿命の高い順に、北中城村(沖縄)、中城村(沖縄)、名護市(沖縄)、川崎市麻生区(神奈川)、野々市市(石川)、横浜市都筑区(神奈川)、菊陽町(熊本)、世田谷区(東京)、横浜市青葉区(神奈川)、川崎市宮前区(神奈川)、佐久市(長野)、西原町(沖縄)、阿蘇市(熊本)、雲南市(島根)、豊見城市(沖縄)、宮田村(長野)、三股町(宮崎)、南越前町(福井)、浦添市(沖縄)、箕面市(大阪)である。

 女の下位20位は、平均寿命の低い順に、大阪市西成区(大阪)、稚内市(北海道)、西郷村(福島)、蓬田村(青森)、釜石市(岩手)、大阪市浪速区(大阪)、広野町(福島)、三戸町(青森)、板柳町(青森)、大阪市平野区(大阪)、藤崎町(青森)、平内町(青森)、風間浦村(青森)、佐野市(栃木)、岩内町(北海道)、田子町(青森)、横浜町(青森)、諸塚村(宮崎)、函館市(北海道)、阿波市(徳島)である。

 市町村名を見ると、男の長寿命地域には、大都市近郊神奈川の住宅地が横浜市青葉区が1位となっているほか最上位となっているのに対して、女の長寿命地域のトップ地域は沖縄の1市2村となっている。

 男女とも最下位の大阪市西成区は北側の萩之茶屋付近に日雇い労働者の町をして知られるあいりん地区 (釜ヶ崎) を抱えており、公共事業の減少でホームレスが増えているといわれる。特段の平均寿命の低さはこのためであろう(地域別ホームレス人数は図録2970)。

 青森県は平均寿命の低い地域が多く、県内でも改善を訴える声が大きい。「青森県内の男性の平均寿命は、全国ワースト4位のむつ市をはじめ、下位から全国50位以内に31市町村が並んだ。女性はワースト8位の三戸町など15市町村が下位から50位以内となり、“短命県”の厳しい現状が浮かんだ。(中略)県南地方で見ると、男性ではむつ市が78.1歳と短かった。宮下宗一郎市長は「不名誉なこと。大きな原因は医療水準の低さ」とし、救急医療体制や健診の受診環境が整わない現状を強調。「県は健康づくりだけでなく、医療水準を高める取り組みが必要だ」と強く訴えた。男性が全国ワースト6位の東北町は、16年度からがん検診の精密検査の費用を助成するなど受診率向上に力を入れている。町保健衛生課の担当者は「非常に残念。少しでも改善できるよう、さらなる対応に努める」とした」(デーリー東北2018.4.28)。

 こうした地域別の寿命格差が大きいのか小さいのかの評価は他国と比較しなければ分からない。英米の事例を以下に掲げる。

 米国の例では17歳の差、英国グラスゴーの事例では28歳の差となっている。上記の日本の市区町村格差は9.8歳であるので、英米と比較して格差は小さいといえよう。

英米における平均寿命の地域差の例
地域 男子
平均寿命
米国 Montgomery County (white) 80歳
Washington DC (black) 63歳
英国スコットランド Glasgow (Lenzie N.) 82歳
Glasgow (Calton) 54歳
(注)米国は1997-2001のプールデータ(Murray et al., 2006)、英国スコットランドは1998-2002年のプールデータ(Hanlon, Walsh & Whyte, 2006)
(資料)WHO, Closing the gap in a generation: Health equity through action on the social determinants of health, 2008.8

(2008年5月14日収録、9月1日英米事例との比較追加、2013年8月1日表更新、2018年4月17日表更新、4月18日順位の間違い補正、青森の声掲載)


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