市区町村別の平均寿命については、各地域の前後3年間の年齢別死亡数をもとに厚生労働省によって算出されている。

 最初に男女別の市区町村別の平均寿命を日本地図にあらわしたものを掲げた。(男の拡大図女の拡大図

 平均寿命の高い地域は赤と黄色で示されているが、男の場合、東京、神奈川、長野、静岡、愛知など日本の中央部に平均寿命の高い市区町村が多いことが分かる。

 女の場合、長野は男と共通だが、男と異なり、沖縄や島根、広島など中国地方にもかたまって平均寿命の高い地域がある。また男と異なり平均寿命の高い地域が分散的に広がっているのが分かる。

 次の図には、男女別に上位20市区町村、下位20市区町村の平均寿命をあらわした。トップと最下位の差は男は8.6歳、女は6.5歳となっている。

 男の上位20位は、平均寿命の高い順に、横浜市青葉区(神奈川)、川崎市麻生区(神奈川)、三鷹市(東京)、国分寺市(東京)、練馬区(東京)、箕輪町(長野)、小布施町(長野)、小金井市(東京)、益城町(熊本)、目黒区(東京)、仙台市泉区(宮城)、杉並区(東京)、駒ケ根市(長野)、日進市(愛知)、横浜市都筑区(神奈川)、世田谷区(東京)、横浜市緑区(神奈川)、横浜市金沢区(神奈川)、守山市(滋賀)、長久手町(愛知)である。

 男の下位20位は、平均寿命の低い順に、大阪市西成区(大阪)、板柳町(青森)、鰺ヶ沢町(青森)、五所川原市(青森)、大任町(福岡)、田舎館村(青森)、藤崎町(青森)、平川市(青森)、中泊町(青森)、室戸市(高知)、大鰐町(青森)、森町(北海)、川崎町(福岡)、黒石市(青森)、岩内町(北海道)、鶴田町(青森)、野辺地町(青森)、弘前市(青森)、深浦町(青森)、天城町(鹿児島)である。

 大阪市西成区は北側の萩之茶屋付近に日雇い労働者の町をして知られるあいりん地区 (釜ヶ崎) を抱えており、公共事業の減少でホームレスが増えているといわれる。特段の平均寿命の低さはこのためであろう(地域別ホームレス人数は図録2970)。

 女の上位20位は、平均寿命の高い順に、北中城村(沖縄)、猪名川町(兵庫)、高森町(長野)、豊見城市(沖縄)、南城市(沖縄)、宮田村(長野)、横浜市青葉区(神奈川)、壮瞥町(北海道)、北谷町(沖縄)、開成町(神奈川)、今帰仁村(沖縄)、豊丘村(長野)、南風原町(沖縄)、中城村(沖縄)、西原町(沖縄)、菊陽町(熊本)、久米島町(沖縄)、野々市町(石川)、清内路村(長野)、売木村(長野)である。

 女の下位20位は、平均寿命の低い順に、奥多摩町(東京)、大鰐町(青森)、日の出町(東京)、大阪市西成区(大阪)、浦河町(北海道)、大阪市大正区(大阪)、甚目寺町(愛知)、福島町(北海道)、本吉町(宮城)、旭市(千葉)、大利根町(埼玉)、えりも町(北海道)、諸塚村(宮崎)、神川町(埼玉)、川崎町(福岡)、中泊町(青森)、ときがわ町(埼玉)、黒石市(青森)、大阪市此花区(大阪)、香春町(福岡)である。

 こうした地域別の寿命格差が大きいのか小さいのかの評価は他国と比較しなければ分からない。英米の事例を以下に掲げる。

英米における平均寿命の地域差の例
    男子
平均寿命
米国 Montgomery County (white) 80歳
Washington DC (black) 63歳
英国スコットランド Glasgow (Lenzie N.) 82歳
Glasgow (Calton) 54歳
(注)米国は1997-2001のプールデータ(Murray et al., 2006)、英国スコットランドは1998-2002年のプールデータ(Hanlon, Walsh & Whyte, 2006)
(資料)WHO, Closing the gap in a generation: Health equity through action on the social determinants of health, 2008.8


 米国の例では17歳の差、英国グラスゴーの事例では28歳の差となっている。上記の日本の市区町村格差は8.6歳であるので、英米と比較して格差は小さいといえよう。

(2008年5月14日収録、9月1日英米事例との比較追加)

関連図録
1620 世界の平均寿命ランキング(149カ国比較)
1650 平均寿命の不平等度(6カ国比較)
1700 米国州別の寿命と健康保険加入率
1800 日本都道府県別寿命と生活保護世帯率
2970 ホームレス人数
7248 都道府県の平均寿命
7250 平均寿命の地域格差(都道府県と市町村)
図録総アクセス数