平均寿命(ゼロ歳時点の平均余命)は年齢別死亡データから作成される値であり、各地域の健康福祉水準を総合的にあらわす指標として重要である。

 ここでは、都道府県の全国ランキングの戦前からの変遷について、特徴的な4県の推移の図録を作成した。原データは厚生労働省の都道府県別生命表(及び2005年版付録70000都道府県別平均寿命の年次推移)である。

 各地位の推移を以下の4つのグループに分けた。

(1)戦前から一貫して平均寿命の長い地域
(2)戦前は平均寿命ランキングが最上位グループであったのに、戦後はランキングが最下位水準にまで低落した地域
(3)逆に、戦前は最下位グループであったのが、近年はトップグループに上がった地域
(4)戦前から一貫して平均寿命ランキングが低い地域

 ここで、長野県は(1)の代表として取り上げた。長野県は疾病予防を含めた医療体制の先進県として、65歳以上の入院患者が少なく、医療費も小さい地域として知られている(図録2010参照)。同じグループに属する沖縄県については、すでに、図録7252で取り上げ、ランキングだけでなく実際の平均寿命の推移も示した。この他、岐阜県や静岡県も似た傾向にある。

 和歌山県は(2)の代表として取り上げた。栃木、高知、宮崎、鹿児島なども男女により差があるが、似た傾向にある。

 福井県は(3)の代表として取り上げた。福井の他、富山、石川といった北陸地域、あるいは島根で同様の傾向にある(図録7248では戦前にこうした北陸地域で平均寿命が最も低かった状況が示されている)。私の祖父は富山県の氷見出身であるが、中高校時代の地理の参考書に、北陸は気候の特徴として曇天の時期が長く、氷見はくる病で有名、との記述を見付けて驚いた記憶がある。くる病は紫外線(日光)不足や栄養不足によるビタミンDの代謝障害によってカルシウム、リンの吸収が進まないために起こる病気であったが、栄養分の中でもビタミンは外部補給が容易なため途上国においてもこうした疾患は最近は見られなくなったといわれる。北陸地方の平均寿命の変化に栄養状態がどの程度の関連を持っているかは分からないが、北陸では戦前平均寿命が短かった事実を知って思い出した次第である。

 秋田県は(4)の代表として取り上げた。同じグループに属する青森県については、すでに、図録7252で取り上げ、ランキングだけでなく実際の平均寿命の推移も示した。

 この他、東京、愛知、大阪などの大都市圏地域の平均寿命は、戦前は低かったのに、戦後高度成長期には大きくランキングを上昇させ、それ以降は、再度、順位を低落させたという傾向にあるが、図録7254にその状況を示した。

(2009年12月27日収録、2013年2月28日更新)


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