日本人、特に女性が、近年、睡眠を減らしてまでも身の回りの用事に時間を割いている状況を図録23202325で見た。身の回りの用事の時間の増加は、自由時間の増加に伴い、おしゃれや身体ケアに時間を多くかけるようになったためと考えられる。

 ここでは、地域別(都道府県別)の女性有業者の身の回りの用事の時間を「おしゃれ努力度」として図録化した。有業者で比較しているのは、地域別の年齢構成の違いや有業率(労働力率)の違いの影響による生活時間配分の差を考えに入れないで済むからである。(ここで、身の回りの用事の時間の長さをおしゃれ努力度と言い換えているが、以下は、それが当てはまる限りにおいての話だと了解されたい。)

 最も身の回りの用事に時間を割いている地域は、宮城、千葉、東京の1時間29分である。高知や宮崎も身の回りの用事の時間が長い。これらの地域はおしゃれに割いている時間が長いと推測できる。

 逆に、身の回りの用事の時間が短いのは、富山や沖縄、そして宮城以外の東北諸県、あるいは鹿児島などである。これらの地域は、おしゃれに余り頓着しない、あるいは身の回りの用事を手早く済ませるのがうまい地域なのであろう。

 下の図は、生活時間の内、自由時間活動をあらわす3次活動の時間と身の回りの用事の時間との相関をあらわした図である。余り相関度は大きくないが(R二乗値0.2733)、両者は相関し合っており、自由時間が長くなるとおしゃれ度も増すことがうかがわれる。

 愛媛は自由時間は全国一多いが、それほどおしゃれには力を入れていない。千葉、東京、宮城は自由時間以上におしゃれに熱心である。愛知の女性は、千葉、東京と同様に多くの自由時間があり、同じ大都市圏の県であるが、その割におしゃれには無頓着のようである。

 沖縄、富山は自由時間の長さ以上におしゃれに無頓着である。宮城以外の青森、岩手、秋田、山形といった東北諸県は、自由時間が短く、丁度それだけ、おしゃれにも時間をかけていない。

 さらに、おしゃれ度には、通勤時に外見が気になるかという点で、電車通勤かマイカー通勤かという要素も関係していると思われる。宮城、千葉、東京といった地域は電車通勤が多く、富山はマイカー通勤が多い。また愛知は、大都市圏の割にマイカー通勤が多い。マイカー比率も含んだ重回帰分析を試みると、図の参考にも示した通り、自由時間とは別に、マイカー比率がマイナスの相関を示していることが分かる。(なお、肥満と自動車依存率との相関については、図録2240参照。そこでは自動車依存率を主として運動不足の程度と見なしたが、むしろ、外見を気にしなくても済む程度としての側面が重要と考えることもできよう。)

 図録2329b(おしゃれ国ランキング)では同じ考え方で各国のおしゃれ度を比較した。

(2006年8月22日収録)


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