バイク(オートバイ・スクーター)に関する都道府県別の世帯当たりの普及台数を図示した。すでに乗用車の都道府県別の普及台数は図録7662で、また自転車の都道府県別の普及台数は図録7665で示した。これらと比較すると移動手段としてのバイクの特徴が浮かび上がる。

 バイクは自転車以上に地域ごとの普及台数のばらつきが大きい。100人当たりの台数が最高の和歌山の36.5台と最低の福井の5.2台とで7.0倍もの開きがある。上から2位は愛媛、3位は奈良である。また、下から2位は北海道、3位は岐阜である。乗用車の場合は、大都市部を除いて、普及台数のばらつきが余り大きくなく、必需品的性格が強いのとは対照的である。

 普及台数の高低を説明する要因がつかみにくいのがバイクの特徴である。東京が低く神奈川が高いということから所得水準や都市化の程度では説明しにくいことが分かる。山梨が高く、長野が低いことから地形でも説明しにくい。自転車の普及率が地形が平坦な埼玉県で日本一であるので地形要因が大きいと判断できるのとは異なっているのである。要因としては、

・地域ごとのオートバイ・メーカーの存在(ホンダ、スズキ、ヤマハを生んだオートバイ産業のふるさと浜松を有する静岡で普及台数が比較的多い)
・積雪による危険性(北海道や北陸で普及台数が少ない)
・四輪車普及との競合(愛知で普及台数が少ない)
・所得水準(四国で普及台数が多い)
・天候の良さ(和歌山や四国などで普及率が高い)

なども考えられるが、明確な説明は難しい。何故、和歌山、愛媛が日本の1位、2位なのかは、簡単には説明できないのである。

 むしろ、単純に、和歌山県民や愛媛県民はもともとバイク好きと理解するのが正解なのかも知れない。これは、国際比較で、何故かは分からないが台湾人が世界一オートバイ好きなのと似たようなところがありそうである(図録6376参照)。国民性や県民性、あるいは地域にバイクが普及した偶然の経緯が影響する嗜好品的な性格が強い乗り物なのだろう。下表に、自転車、バイク、乗用車という3種類のパーソナルな乗り物について、地域分布から見た特性を整理した表を掲げた。

自転車、バイク、乗用車普及の地域性
  普及台数から見た地域分布の特徴 代表地域
世界 国内
自転車 先進国、環境志向、都市部、平坦地、ばらつき中 オランダ 埼玉
バイク 新興国、アジア、嗜好品的性格、ばらつき大 台湾 和歌山
乗用車 先進国、都心部以外、必需品的性格、ばらつき小 米国 愛知
(注)代表地域については、自転車、バイクは、普及台数の最も多い地域をあげたが、乗用車の代表地域で米国と愛知を挙げたのは普及台数の特段の多さではなく、世界の主要乗用車メーカーの立地と普及台数の多さがむすびついているという特徴からである。
(資料)本川裕「自転車・バイク・乗用車普及台数の地域比較」(『エストレーラ』誌、2015年2月号)


 なお、バイクの普及率は低下傾向にある(図録6380)。図録には前回調査の2004年データを点グラフで示したが、ほとんどの都道府県で普及台数は減っている。3位までの順位では、1位と3位は変更なしであるが、2位が京都から愛媛に変わったことが分る。

 乗用車、バイク、自転車の普及率は以下の図録に掲げているので参照されたい。

乗り物普及率を掲げた図録番号
  各国比較 都道府県比較
乗用車 6375 ピュー
リサーチ
センター
6382
7662
バイク 6376 7664
自転車 6371 7665

(2015年2月25日収録、8月1日更新)


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