「日本列島には各国経済がつまっている」として図録4550aには、日本の都道府県と同等な経済規模の各国を図示した。ここでは、さらに、都道府県のレベルから市町村のレベルにブレークダウンして日本の経済規模の様子を概観してみよう。

 多くの都道府県では、毎年、市町村民所得統計(市町村民経済計算)が作成されており、その中で市町村のGDPというべき市町村内総生産が算出されている。当図録では、国内では、比較的経済規模が大きい栃木県の市町村の経済規模を海外諸国と比較してみた。

 栃木県の経済規模は都道府県の中で16位の8.2兆円と海外ではエクアドル、国内では宮城県や長野県などと同等である(図録4550参照)。

 栃木県の中で最も経済規模が大きい市町村は県庁所在都市の宇都宮市であり、市内総生産額は2兆7千億円である。これはアフリカ南部のザンビアのGDPとほぼ同じである。図録4550a(2013年データ)をよくみると分かるとおり、実は、佐賀県の県内総生産も同じ2.7兆円であり、ザンビアと同等だった。栃木県の中でも宇都宮市は県並みの経済規模を有していることが分かる。

 県内第2位の経済規模は栃木市の7千億円であり、これは中央アジアのキルギスに匹敵している。3位の小山市は西アフリカのモーリタニア、4位の那須塩原市はやはり西アフリカのシエラレオネ、5位の足利市はアフリカ南部のスワジランドとほぼ同等の経済規模である。

 このようにアフリカの国と同等の市が多くなっている。

 また、鹿沼市と南太平洋の島しょ国フィジー、日光市とインド洋に浮かぶモルディブ、那須烏山市とカリブ海のグレナダが同等経済規模となっており、各大洋の小さな島しょ国に匹敵する市町村も多くなっている。

 このよう栃木県の市町村レベルでは、アフリカ諸国や太平洋やカリブ海などの小さな島しょ国の経済規模と同等な地域が多くなるが、それでも国レベルの経済規模を有している点から日本の地域経済は、やはり、あなどれない実力を有していると見られよう。

(2016年11月13日収録)


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