2010年8月に日本が韓国を併合して100年となったのを機に、NHKは、韓国の公共放送のKBSと共同で世論調査を同じ質問項目、同じ調査方法で行っている。調査時期は2010年6月26日(土)〜7月4日(日)である。この日韓市民意識調査は、日韓両国の調査結果を比較分析し、広く両国民に伝えることを目的としている。資料出所はNHK放送文化研究所「日韓市民意識調査」(「放送研究と調査」2010年11月)である。

 この調査の結果から、ここでは、諸外国に対してどう思っているか(1カ国選択)を日韓比較した図録を作成した。選択肢となっている国は、日韓を除くと、中国、ロシア、北朝鮮、米国、英国、フランス、ドイツ、インドである。日本人の対韓意識、韓国人の対日意識は同じ項目に表示している。

 まず、日本人の対韓意識、韓国人の対日意識について、比較してみよう。

日韓がお互いを世界の中でどう位置づけているか(%)
  対韓
(日本人)
対日
(韓国人)
比較
親近感 20.9 11.0 対韓2倍
信頼感 4.4 4.3 同程度
お手本 3.2 22.8 対日7倍
文化交流 18.1 18.4 同程度
経済交流 3.7 12.6 対日3倍
安保脅威 0.4 4.9 対日10倍

 表のように、信頼感については、相互に同程度に少なく、文化交流については、相互に同程度にかなり期待している。

 親近感については、日本人の方が韓国人の2倍程度に相手に対して感じている。他方、お手本意識、経済交流の相手、安保脅威としては、3倍から10倍と韓国人の方がずっと強く日本に対して意識していることが分かる。

 総合すると、韓国人が日本を意識している程度は、日本人が韓国を意識している程度より大きいと結論づけられる。

 次に、日韓以外の諸外国に対する意識を見てみよう。

 親近感を感じる国としては、北朝鮮を除く国は、米国に大きな親近感を抱いている点、また、米国に対しても中国に対してもロシアに対してもほぼ同程度に感じている点が目立っている。北朝鮮に対して親近感を抱く日本人はほとんどいないが、韓国人の場合は、日本に対するのと同じ約1割が親近感を抱いている。同一民族であることから当然の結果ともいえよう。

 信頼感を抱いている相手国としては、日本人も韓国人も、相互には信頼しておらず、米国に対する意識が他国を圧倒している点で共通である。

 見習うべき国(お手本になる国)としては、日本人は「あてはまる国はない」が25%と最も多く、あえて選ぶとドイツが15%で最も多くなっている。これに対して、韓国人は、米国、日本、ドイツなどがお手本となると思っている人が多い。韓国ではなお経済発展を強く志向しており、これらの国には学ぶべき点がまだあると考えているのだろう推定できる。日本人の場合は今やフロントランナーだと自覚しているのであろう。

 文化交流の相手としては、日本人は、韓国以外に、中国やヨーロッパだとフランスをあげる人が比較的多い(といっても1〜2割だが)。米国に対しては1割以下と少ない。韓国人はむしろ米国に対して文化交流したい人が他国より多い点に日本人との差が見られる。

 経済交流的に重視すべき国としては、経済が躍進し、巨大な市場が形成されてつつある中国を挙げるものが日本人では約6割、韓国人でも3分の1と多い。しかし、韓国人はなお米国を挙げるものが約4割と中国を上回っている。

 韓国人は米国を親近感、信頼感、お手本、文化交流、経済交流の各側面で1位に挙げており、日本人とは比較にならないほど米国との関係を重視していることがうかがえる。

 安全保障面での脅威としては、北朝鮮を挙げるものが日本人も韓国人も7割前後と最も多い。2010年3月26日には北朝鮮が関与したとされる韓国哨戒艦沈没事件が起こっており、これが回答に影響してると考えられる(延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件は、2010年11月23日であり、この調査には直接反映されていない)。なお、中国の脅威については、日本人が14.7%と韓国人の9.4%を上回っている(中国に対する同様の差は図録8194参照)。

 要約すると、親近感、信頼感以外では韓国の方が日本を強く意識。その他諸外国に対する日韓の違いは日本より米国との関係を韓国が強く意識している点。

(2011年7月21日収録)


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