アジアバロメーター調査によれば、2004〜2006年と少し古いデータであるが、アジア諸国における日常会話以上の英語力をもつ国民の割合は、シンガポールが82%で抜群に高く、ブルネイ47%、フィリピン36%、マレーシア28%、香港27%と続く。日本は13%と低い方に属するが中国の4%よりは高い。

 シンガポールでは、英語が、マレー語、標準中国語(北京語、マンダリン)、タミール語(インド人の言語の1つ)と並んで公用語となっており、また学校教育で生徒の母語と英語の両方を習熟することになっているので、シンガポールで教育を受けた一定の年齢以上のシンガポール人は、程度の差こそあれ例外なく英語を解することができるのである。むしろ、英語が話せる比率が82%という数字からは、むしろ、話せない者が1割以上いるという方を注目すべきなのかもしれない。シンガポールの言語については、シンガポール勤務の商社マンの方のサイト「生活者の視点から見たシンガポールの言語状況について」が参考になる。また、シンガポールの食の状況からシンガポールのお国ぶりについてふれた図録8035も参照されたい。

 英語力に限らず、東アジア諸国における生活のグローバル化については、図録8069を参照。

 同じ国民の中でも、階層によって英語力には大きな差があると考えられる。そうした点をうかがうことができる香港の調査の集計結果が得られたので、以下に掲げた。

 最も差があるのは、学歴別の結果である。高学歴では87%が英語を話せるのに対して、低学歴では2%と非常に低くなる。次に差が目立っているのは年齢によるちがいである。20歳代では52%と半数以上が英語を話すのに、60歳代では7%しか英語を話さない。香港人におけるこうした英語力の世代による差は、好きな食べものや外食などの生活パターンの世代差ともむすびついているようである。若い香港人は年長者と異なって、ピザや寿司が好きである(図録8035)。若い香港人は夕食の外食比率が7割を超える(図録8038)。


 ここで取り上げているアジア人は、15カ国であり、具体的には、英語力の低い方から、インドネシア、中国、台湾、ラオス、日本、カンボジア、韓国、ベトナム、ミャンマー、タイ、香港、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、シンガポールである。

アジア・バロメーター調査の概要

 ここで、元データとしたアジア・バロメーター調査の概要は、この調査のHPによれば、次のように紹介されている。

「アジア・バロメーターは2003年度より猪口孝主導で継続して行っているアジア全域を対象にした世論調査である。「アジアの普通の人々の日常生活」 に焦点を当て、欧米の世論調査と比較できる方法を使いながら、アジア社会の歴史的、社会的、経済的、政治的、文化的、言語的な特異性を十分に配慮した研究設計によって、アジア社会の貴重な世論調査デ−タを作成することが目的である。」

(2015年2月17日収録、2月18日シンガポールのコメント追加)


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