AsiaBarometer2006調査の資料により、属性別の幸福度の高低を調べると、東アジア各国(台湾、香港、韓国、中国、日本、シンガポール)で共通面が目立つ属性と違いが目立つ属性とがあることが分かる。

 共通しているのは「性別」と「教育水準」と「所得水準」である。

 「性別」では、概して、女性の方が男性より幸福度が高い。特に、韓国、台湾、日本で差が10%前後と大きい。香港だけは例外で男性の方が高い。東アジア諸国の幸福度の女性優位の傾向は、他の国際共通調査でも明らかとなっている(図録2472参照)。

 「教育水準」と「所得水準」では、教育水準が高いほど、また所得水準が高いほど幸福度が高いのが一般的である。教育水準と所得水準は比例していることが多いので同じ傾向である点に不思議はない。いわゆる経済格差の存在によって幸福度にも格差が生じているということができる。これは東アジアに特別なことではない全世界的な傾向である。

 所得水準の差による幸福度の違いが大きい国としては特に香港が目立っており、韓国、中国、日本がこれに次いでいる。教育の差による幸福度の違いが大きい国としては、香港、韓国が目立っており、日本がこれに次いでいる。反対に、台湾とシンガポールは、所得水準や教育の差による幸福度の差が小さいことで目立っている。

 国による違いが目立っているのは、「年齢」や「結婚状況」による差である。

 「年齢」では、高齢者の方が若年層より幸福度が低い香港、韓国と、逆に、高齢者の方が若年層より幸福度が高い台湾、中国、日本という構図となっている。

 「結婚状態別」では、既婚が未婚より幸福度が高い国が多い。特に日本の差は26%ポイントと非常に大きいのが目立っている。一方、台湾と香港では未婚者の方が既婚者より幸福度が高い点が特徴的である。

 属性別の国内格差は国全体の幸福度のレベルに影響を与えるのであろうか。右図には、属性別の幸福度格差(冒頭図の棒グラフの値の絶対値)の総計をX軸に取り、Y軸に幸福度水準をあらわした相関図を描いて見た。シンガポールは最も幸福度が高い国であるが、国内格差は小さい。韓国や香港は国内格差が大きいことで目立っており、幸福度水準そのものは高くない。従って、国民の間に幸福度に差がない国の方が全体として幸福になれるかのようである。ただし、台湾は国民の間の差はシンガポールに次いで小さいのに幸福度水準は最低である。このように、幸福度の国内格差が小さいほど幸福度が全体に高くなるとは単純には言えないようだ。

(2015年2月10日収録、2月11日補訂)


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