現在、世界の人々は中国をどう考えているのであろうか。英BBCが実施した世界世論調査からこの点を探ってみた。

 時系列変化については図録8015、中国の経済力への世界の見方については図録8192参照、2010年データによる旧図録は図録8190x参照)。

 英国BBC放送が定期的に行っている世界世論調査では主要国に対する各国国民の評価(世界にプラスの影響を与えているか、それともマイナスの影響を与えているか)を調べている。同調査はBBCの委託を受け、民間調査機関グローブ・スキャン及び米メリーランド大学が実施したものであり、2013年調査では世界25カ国、約2.6万人(各国約1,000人)の成人を対象にアンケート調査を実施している。

 留意すべきは、評価する対象は国であるが、評価者は各国国民である点である(例えば日本国への評価であり日本人への評価ではない)。すなわち国家間の外交的立場を直接表現しているものではない。

 ここでは、中国に対する各国国民の評価をグラフにした。なお別のBBC調査によって中国に限り、経済力と軍事力の伸張に対する世界の見方を図録8192、図録8194に掲げた。

 調査対象28カ国のうち中国人を除く平均では、肯定的評価(概してプラスMainly positive)が40%、否定的評価(概してマイナスMainly negative)が40%であり、功罪相半ばという感想を世界の人々はもっているといってよいだろう。

 17カ国・国際機関への各々の評価結果については図録8014参照。また日本を世界がどう見ているか、については図録8016参照。

 中国人は自国を非常に高く評価している。世界からの見方と比べると自信過剰なほどである。特に、中国が世界にマイナスの影響を与えていると思っている批判的な中国人は16%と少ない(2010年の8%からかなり増えたが)。各国国民の自国評価でマイナス評価の割合については、図録8016の参照図に掲げた。

 それでは、各国国民はどう中国を見ているだろうか。プラスからマイナスをひいた値では、以下のように、12カ国(中国を除くと11カ国)がプラス超過、13カ国がマイナス超過となっている。

中国への評価
プラス超過(12カ国) マイナス超過(13カ国)
チリ、ブラジル、ペルー、ロシア、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、エジプト、パキスタン、中国、インドネシア、インド カナダ、米国、メキシコ、英国、ギリシャ、トルコ、ポーランド、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリア、韓国、日本

 プラス超過では、途上国の国民がほとんどである。特に、アフリカ諸国の国民からの評価が高いのが目立っている。資源開発や国際社会での地位向上を目指して中国の経済援助はアフリカ諸国に対して活発だと報じられることが多いが、その成果が現れているようにもみえる。

 アフリカ諸国に次いでは、ラテンアメリカ諸国の国民からプラス評価を得ている。アジア諸国の中ではパキスタンからの評価は高い(何と中国人の自己評価より高い)が、その他からは必ずしも評価は高くない。アジアの中で対中評価の最も高いパキスタンの中国に対する親密度については図録8194参照。

 マイナス超過が目立っているのは欧米諸国とアジアの周辺諸国の国民である。米国人の7割近くはマイナス評価である。ヨーロッパでは特にドイツ人、スペイン人の評価が低い。欧米人は地理的に遠いので領土的な関心は低いが、人権問題、一党独裁体制、地球環境問題などへの反発が大きいと推測される。

 アジアでは、同じ東アジアにあって国境を接している中国の大国意識による圧迫を感じている韓国、日本の国民からの評価が低い。アジアでは、人権問題もさることながら国境を接していることから生じる具体的問題での反発が大きいと考えられる。

 中国の経済成長は日本経済をはじめ世界経済に大きなプラスをもたらしているといえるが、中国人が期待するほど世界はそれを高く評価していないといえよう。

(2010年4月26日収録、2013年6月14日更新)


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