1人当たりの所得水準の地域格差が国によってどの程度かを比較したグラフを掲げた。比較の対象となった国は基準を揃えた統一的なデータベースが整備されているOECD諸国である。なお、図録8400では、中国、バングラデシュ、マレーシア、フィリピンといったアジア諸国と日本の地域格差を比較している。特に地域格差が問題とされている中国の地域格差については図録8500参照。

 地域格差は1に近いほど格差が大きいと判断できるジニ係数で比較している。それぞれの国の規模や国ごとの地域区分のあり方によって、結果の評価は、充分な配慮が必要であるが、おおまかにはこれで地域格差の状況を把握することが可能である。

 結果は、トルコ、メキシコ、スロバキア、ポーランドといった途上国的性格の強い国で地域格差が大きいことを示している。

 日本は27カ国中26位と地域格差は小さい。ソウルとそれ以外など地域格差が大きいと言われる韓国では、ジニ係数で比較すると日本の約2倍の地域格差となっている。

 現在、格差社会が問題とされる中で地域格差も大きなテーマとなっているが、これは、第1に、地域ごとの高齢化の進み具合の違いがこの後の格差拡大につながりかねないこと、第2に、グローバリゼーションの中で進む企業の海外進出や農林水産物の競争激化によって労働集約型の産業や1次産業の比率の高い地域が打撃を蒙っていること、第3に、進行中の地方分権改革、三位一体の改革で、税源が地方に移譲されつつあるが、自主財源の乏しい地方の相対的な財源難とそれ故の投資不足が懸念されていること、などにより、これまでの比較的小さかった地域格差が今後拡大の一途を辿るのではないかというかなり現実性が高い心配のためである。

 参考までに、日本の各地方ブロックがOECD諸国の300地域において1人当たりGDPで何位に位置しているかを1996年と2001年について図示したグラフを掲げた。

 2001年については、東京圏を含む関東が75位と最も高い順位となっており、最も低い順位の地方は205位の沖縄となっている。(1人当たりGDPでなく個人所得ベースの地域格差については図録4669参照)

 1996年と比較すると、全体に日本の地方は順位を下げているが、これはこの間、日本の経済成長率が相対的に低かったためである(図録4500参照)。

 各地方ブロック毎の順位の下げ幅は、関西経済圏を含む近畿が34位と大きく、関東、北海道、沖縄は下げ幅が10位台と小さかった。

 なお、比較対象となった国は、OECD30カ国中、地域別GDPが得られない3カ国を除く以下の国々である。すなわち、トルコ、メキシコ、スロバキア、ポーランド、ベルギー、韓国、英国、ハンガリー、カナダ、ポルトガル、OECD平均、オーストリア、イタリア、ドイツ、米国、チェコ、デンマーク、スペイン、アイルランド、ノルウェー、フランス、フィンランド、オーストリア、オランダ、ギリシャ、日本、スウェーデンである。

(2006年9月11日収録)

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