米国における黒人人口の長期推移を10年ごとにおった。建国当初19%だった黒人人口比率は1930年の10%にまで低落したが、最近は12%にまで回復し、横ばい化している。

 1787年に合衆国憲法が制定されて連邦政府が発足したのが1789年であるがその1年後の1790年に米国人口は3,929,214人であり、そのうち黒人が757,208人(うち奴隷697,681人)であり、19.3%を占めていた。対人口対比がこの値を越えたことは今までにない。

 黒人人口は増加を続けたが、それ以上にアイルランド、ドイツなどからの移民が増加し(アイルランドからの移民は1840年代がピーク)、移民人口(外国生まれの人口)が増加したため、黒人人口比率は低下傾向をたどった。

 1863年のリンカーンによる奴隷解放宣言の3年前、1860年に黒人人口は444万人(うち奴隷が395万人)、全人口対比は14.1%であった。

 その後も、黒人人口は順調に増加し続けたが、一方で、イタリア、東欧、ソ連などからの移民人口も急拡大し、黒人以外の人口の増加率の方が高かったため、黒人人口比率は1920年には10%を切り、1930年には9.7%と最低になった。

 戦後は黒人人口が急速に増加し、全人口対比も上昇に転じた。これは死亡率の高さを打ち消すほど黒人の出生率が白人を大きく上回っていたためと考えられる(図録8650参照)。黒人人口は1970年には2千万人を上回り、1990年には3千万人を上回った。そして、2008年には4千万人弱の規模に達している。黒人人口比率の上昇には、移民人口が戦後1970年まで減少傾向にあったことも影響している。

 最近はメキシコ人などヒスパニック系やアジアからの移民人口が大きく拡大している(図録1172参照)。また、黒人の出生率はかなり低下し、米国全体の平均値に近くなっている(これは、ヒスパニック系よりかなり低く、非ヒスパニック系白人よりは高いレベル)。従って、米国全体に占める黒人の比率も12%台でほぼ横ばいに転じている。

 歴史上はじめての黒人大統領としてオバマ大統領が就任したのが2008年である。黒人はほとんどがオバマ候補に票を投じた(図録8754参照)。

 黒人差別が米国における国民皆保険を遅らせてきたという説については図録1900の中の「米国医療問題の政治的背景」を参照されたい。

(2010年11月18日収録、2015年4月6日更新)


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