日本人の好きな料理(食べ物)については図録0332で見たが、ここでは、韓国人の好きな料理についての調査結果を掲げることとする。

 国民全体への調査結果は得られなかったが、学生に対する調査結果を入手できたのでグラフにした。

 あげられた料理を解説付きで挙げると、以下である。

 サムギョプサル(豚三枚肉の焼き肉)、カルビ(牛あばら肉の焼き肉)、キムチチゲ(キムチを使ったあらかじめ煮て出される鍋)、味噌チゲ、ピザ、スパゲッティ・パスタ、さしみ、寿司(カリフォルニア巻きを含む)、チキン・鶏料理・蒸し鶏、キムチ・キムチ料理、カムジャタン(じゃがいもと豚の背骨鍋)、冷麺、ビビムパプ(ビビンバ=のっけられたナムル・肉・卵などをご飯に匙で混ぜ込んで食べる料理)、トッポッキ(餅の甘辛炒め)、キムパプ(韓式海苔巻き)、ラーミョン(インスタントラーメン)、とんかつ。

 一番人気はチキン・鶏料理であり、これに続いて、サムギョプサルとスパゲッティ・パスタが来ている。さらにさしみ、ピザ、キムチ系、寿司などが続く。

 日本から受け入れたものとしては、さしみ(食べ方は韓式丼にしたり必ずしも日本流ではない)、寿司(欧米からの迂回導入を含む)に人気があるほか、日本式中華であるラーメン(ただしインスタントラーメンのこと)、及び日本の洋食のとんかつ(トンカス)が出てきている。

 韓国のラーミョン(インスタントラーメン)の消費量は、年間1人当たり69食で世界一であり、本家日本の40食を大きく上回っている(図録0445参照)。好きな食べ物ではそれほど上位にはないが、同じ調査で昨日食べた昼食は、という問では、ドーナツ・ハンバーガーにつぐ第2位となっている。

 ラーミョンは韓国においてまさに高度成長とともに工事現場や軍隊の間食、学生の夜食などの簡便食として普及したが、いまではトウガラシ味インスタントラーメンが開発されたほか、韓国式ファーストフード店である粉食(プンシク)店のメニューとして、またブデチゲ(部隊チゲなる軍隊・闇市で考案されたというハム・ソーセージなども入れる闇鍋風のチゲ鍋)の最後に必ず入れて調理する食材としても利用されるなど応用範囲が広い食べ物となっている。

 一方、日本のラーメン専門店で出される本格ラーメンについては、生ラーミョンと称されるが、韓国では不思議と普及していないと言う。

 イタリア料理系についてもピザやスパゲッティなどが人気がある。

 なお、図に掲げられた料理の中に若者に人気といわれる韓式中華料理の「チャジャンメン(ジャージャー麺)」が登場していないのは少し妙である。

 日本人の好きな食べ物と比較すると、自国の食べ物と海外から導入された食べ物とが混在している点は同様であるが、日本では当然上位に出てくる筈のカレーが韓国では上位に入ってこないのが大きく異なる。

 朝倉(2005)はこの理由を3つが考えられるとしている。(1)経済法則説。種々の香辛料を使うには一定程度の経済発展が必要。(2)カレー軍隊食説。カレーを見ると軍隊生活を思い出しいい気分になれない。(3)キムチ代用説。キムチがあるからカレーは不要。

(参考文献)
・朝倉敏夫「世界の食文化〈1〉韓国 」農文協、2005年

(2010年2月8日収録)


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