米国ワシントンに本部を置く非営利機関ピュー・リサーチ・センターのPew Research Center’s Forum on Religion & Public Lifeにおいて世界各国のイスラム(ムスリム、イスラム教徒)の人口の推計が公表されているので、これをグラフ及び地図(イスラム人口規模とイスラム人口比率)にあらわした。

 同センターは2011年1月に新たにイスラム人口の将来予測を行うとともにイスラム人口の2010年推計も発表している。これは2015年1月のフランスにおけるイスラム過激派の連続テロ、及びイスラム国による日本人2人の殺害予告・身代金要求の後にさかんに引用されるようになった。私もここで掲げた2009年推計を更新しようかと考えたが、2010年推計ではシーア派人口の数字がないし、1年でそう大きな変化はないとして、そのまま2009年推計を掲載し続けることとした。

 世界全体のイスラム人口は15.7億人と人口全体の4分の1弱の22.9%を占めているとされる。

 地域別には、イスラム教がはじまってまず広がった中東・北アフリカでは、3.2億人とイスラム人口全体の20.1%を占めるにすぎず、最も多いのは、アジア・太平洋地域の9.7億人であり、61.9%と6割を超えている。

 この2地域に次いでサハラ以南アフリカが2.4億人、15.3%と多く、ヨーロッパと南北アメリカは合計しても4,300万人、2.7%と少ない。

 国別に見ると、最大のイスラム国はインドネシアであり、2億人のイスラム人口を抱えている。

 インドネシアに続いて、パキスタンの1.7億人、インドの1.6億人、バングラデシュの1.45億人がイスラム人口を多く抱えている。

 これら諸国に次いで、イラン、トルコ、エジプト、ナイジェリアが7千万人台のイスラム人口を有するイスラム国である。

 英エコノミスト誌もこの推計を取り上げているが(October 10th 2009)、同誌がいうように、ヨーロッパの中でイスラム人口が最も多いのは、フランスでもドイツでもなく、ロシアであり、1,600万人のイスラム教徒を抱えている。ソビエト連邦崩壊により中央アジアのウズベキスタンなどのイスラム国が分離した後も国内に多くのイスラム教徒を抱え(人口比12%)、チェチェン問題などの火種となっている。

 EU各国のイスラム人口(2010年推計)やフランスのイスラム系住民については図録9030参照。そこで掲げたヨーロッパ人の対イスラム感情についての意識調査結果を右に再掲しておく。

 中国も人口比は2%とロシア以上に小さいが、絶対数ではロシア以上の2,200万人のイスラム教徒を抱えている。

 日本はアジア・太平洋のその他地域に含まれるが、イスラム人口は18万3千人と推計されている。

 イスラム教徒の中のシーア派については、世界全体で1.54〜2億人がおり、イスラム人口全体の10〜13%となっている。国別には、イラン、イラクに人口規模、人口比ともに多くが分布しているほか、規模的にはパキスタン、インドにもかなりのシーア派人口が存在している。

 比率的には中東・北アフリカ地域の多くの国で80%を越えているほか、その周辺やインドネシア、マレーシアなどでもイスラムの影響力が強いことがうかがわれる。インドやロシアなどでも10%以上と国内における影響力が無視し得ない程度であることがわかる。

 イスラム国でもイスラム法の社会適用については国別に温度差が大きいことは図録9036参照。

 世界の宗教分布については、Pewレポートでも一部資料として使用されている世界価値観調査の結果をグラフにした図録9460を参照。

 なお、棒グラフでイスラム人口を取り上げた国は、41カ国、具体的には、インドネシア、パキスタン、インド、バングラデシュ、イラン、トルコ、アフガニスタン、ウズベキスタン、中国、マレーシア、エジプト、アルジェリア、モロッコ、イラク、スーダン、サウジアラビア、イエメン、シリア、チュニジア、リビア、ヨルダン、ナイジェリア、エチオピア、ニジェール、タンザニア、マリ、セネガル、ブルキナファソ、ソマリア、ギニア、コートジボワール、ロシア、ドイツ、フランス、アルバニア、コソボ、英国、ボスニア・ヘルツェゴビナである。

(2009年11月12日収録、2012年6月26日イスラム人口比率マップ追加、2015年1月22日2010年推計に更新しない理由をコメント)


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