2001年9.11の世界貿易センタービルと国防総省への同時テロ事件以降、イスラム過激派の国際テロが多発する中、これを未然に防止し、またテロ組織を壊滅しようとする欧米政府による容疑者への拷問による情報入手に対する関心が高まっている。

 図には自国へのテロ攻撃に関してこうした拷問を是とするか非とするかに関しピューリサーチセンターが行った国際意識調査の結果を掲げた。

 対象38カ国の中で、「正しい」とする意見は、ウガンダの78%が最多、アルゼンチンの15%が最少と各国で大きな幅があるのが目立っている。

 上位5位は、ウガンダ、レバノン、イスラエル、ケニヤ、ナイジェリアであり、米国が第6位で続いている。テロ事件の可能性が高いアフリカや中東、および実際に大きなテロ事件に見舞われた米国で「正しい」とする意見が多くなっているのが特徴である。米国では「正しい」が58%と「正しくない」の37%を20%ポイントほど上回っている。

 他方、こうした拷問を「正しくない」とする国民が多い国としては、ベネズエラ、アルゼンチンが7割以上、チリ、スペイン、ブラジル、ドイツが6割以上となっており、ドイツを除いて、ラテン系の国の国民の拒否反応が強いことが分かる。

 この他、ロシアやウクライナといった旧ソ連圏でも「正しい」が2割以下と少なくなっている。

 フランス、日本、英国、イタリアといった米国とドイツ以外の主要国は、ほぼ、中間的な位置にある。日本は、「正しい」は39%で「正しくない」の44%をやや下回っており、「正しい」の割合の順位は38カ国中20位である。

 なお、テロリストに対する拷問の許容度は、イデオロギーによっても左右されている。政治的な傾向を右派、中道、左派に区分すると、この順番で拷問の許容度が高いことが下の図から明らかである。


(2016年2月16日収録)


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