2013年の5月3日の憲法記念日に合わせ、メディア各社は憲法改正についての世論調査を事前に行った。図は7社の世論調査の結果である。

 改憲そのものについては、設問を設けた6社すべてで賛成が反対を上回っていた。

 最初にまず改正が必要と安倍首相が主張している憲法改正の手続き条項である96条の改正については、賛成が反対を上回っているのが1社、同数が1社、反対が賛成を上回っているのが4社である。

 自民党などが最終的に目指している軍隊不保持の条項である憲法9条の改正については、2社で賛成が反対を上回り、1社で反対が賛成を上回っている。

 このように、各社調査で改憲そのものの総論はみな賛成多数だが、96条改正、9条改正といった各論では賛成多数と反対多数の結果が混在している状況であることが分かる。

 メディア各社によるこうした違いの要因としては以下が考えられる。

@調査方法、調査時期の違い

A質問の聞き方や質問の並び順

B各社の姿勢に反対する人の回答拒否(例えば、朝日への回答は朝日に好感をもつ人に片寄りがち)

 朝日で反対が相対的に多く、読売・産経で賛成が相対的に多いのは保守政権寄りかどうかというBの理由が左右しているからだと思われる。従って各社の世論調査の結果を平均すればほぼ国民の平均的な意見となると思われる。

 なお、東京新聞(2013.5.18こちら特報部)によれば、各社の姿勢によって世論調査の結果を紹介した紙面の作り方もパターンがあったという。すなわち、

「紙面の見出しを見ると、「九条改正」に積極的な読売や産経に加え、日経も改憲自体に賛成が多いことを印象づける。

 改正「賛成」51%(読売)
 憲法改正「賛成」61%(産経・FNN=フジニュースネットワーク)

 一方で、「九条改正」などに慎重な朝日と毎日は、改憲の発議要件を規定する96条の緩和に反対する声が多いことを一面に大きく載せた。

 反対54%、賛成38%(朝日)
 反対46%、賛成42%を上回る(毎日)」

 このように自分が好んでいる新聞やテレビは自分に近い意見が多いと報道する結果になっていることが多いのである。従って多くの人がやや誤解しながら自分に都合の良いように報道を受け止めるわけであるが、ちょっと各メディアを比べてみれば状況はうかがい知れるので問題はそう大きくないであろう。

(2013年5月18日収録)


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