☆「歴史とは単なる暗記物ではない」。では、歴史とは何なのか?歴史を学ぶ意味とは??
具体的には、日本史や世界史の各テーマを見ていただきたいのですが、ここで古今東西の著名な歴史学者による名言
をご紹介しましょう。「うん、うん、なるほど!」と共感できるものが見つかるのではないでしょうか。
○「歴史の説明というものは、真の原因を求めて、それを広く深くどこまでも追い求めていく、はてしない探求だと思います。
あらゆる事物の中に、法則から説明する回路と、記述から法則をつくる回路とを無数にはりめぐらして、そのよどみない
交流のうちに、ほんとうの原因をつきとめていく、はてしない努力だと思います。」
神山四郎『歴史入門』(講談社現代新書、1965年)
○「歴史への関心と申しますものは、人々が1つの危機的な時点に立って、世界は将来どうなっていくのか、そしてこの変
化していく世界に対してどういう態度をとり、どういうことをなすべきか、という決断の前におかれました場合、自分自身
の過去をふりかえることによって、その回答を得ようとするときに生まれてくるもの、とわたくしは考えるのであります。」
堀米庸三『歴史をみる眼』(NHKブックス、1964年)
○「歴史というものは、それぞれの政治権力の中心で書かれるものだ。権力の正当化が、歴史の本来の使命である。」
「歴史家にとって大切なのは、いったいなにがほんとうに起こったのかを明らかにするために、史料の矛盾をつきつめてい
って、もっともありそうな、説得力のある解釈をつくりだすことだ。その際、道徳的価値判断は有害、無益、無意味なもの
であり、歴史からはいっさい排除しなければならない。これは歴史がちゃんとした歴史になるための、絶対の条件だ。」
岡田英弘『歴史とはなにか』(文春文庫、2001年)
○「『歴史とは過去と現在のキャッチボールである』学生時代、ふと教室の片隅で耳にしたこの言葉に、私は静かな感動を
覚えた記憶がある。歴史とは、いまを生きる我々が自分の問題を過去に投げかけ、過去が投げ返してくる反射球をうけ
とめる対話の連続。つまりは、そう考えたい。歴史はきまった史実を覚える「暗記物」ではないのだ。
磯田道史『武士の家計簿』(新潮新書、2003年)
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