隆起線文土器の意味
隆起線文土器は文様をつけるとき、九州地方では、底を上にして施行する。これを
逆位の土器扱いと呼び、反対に東日本では口縁部を上にした状態、正位の土器扱い
で施文する。もちろん、逆位で煮炊きすることはできないから、最終的にひっくり返して
つかうことになる。このことは世界構造と地上世界の対比があることを示唆する。
逆位の土器扱い
つまり世界構造そのままで施文する場合が、逆位の土器扱いとなり、
正位の土器扱い
世界構造を一旦地上世界に反映させてから施文するのが、正位の土器扱いとなる。
要するに、タイミングの違いだけなのである。その意味では、逆位の土器扱いの方が、
オーソドックスなやり方ではあるだろう。
九州を除く西日本では、1期では正位で、2期以降に逆位になり、4期については不
明だという。どちらでもよさそうな気もするが、当時はそうでなかったらしい。こだわりが
ある。地上世界を含めた世界(正位の土器扱い)なのか、世界構造と対になる地上世
界(逆位の土器扱い)なのか、という問題であり、夜な夜な議論を戦わせたのかも知れ
ない。この結論については、後述することになるだろう。なぜなら、文化の解析によっ
て、古代の日本人が、どこに到達したかわかるはずだからである。
ちなみに、写真の土器は、東日本の隆起線文土器であり、概念的にわかりやすくモ
デル化させるために使用しているだけであり、逆位で扱われたということではない。注
意してもらいたい。
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もうひとつ重要なことは、この時点でたくさん=Aすなわち無数という概念が成立し
たと考えられることで、構造的には数えられるものと無数の双極となる。隆起線文が極
端に増えるのは、多重化された世界を表現することから、無数に輝く星々を再発見し
表現することに変わったのが原因だろう。ただし、無限や数えられないものという概念
はないと思われる。この区別は土器の外形で行うしかない。丸底ないし平底の場合は
世界の数であり、尖底土器では無数である。
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北極星と周囲をめぐる星々の発見は、螺旋説にまとめられていた世界観に変質をも
たらすことになる。世界はぐるぐる回りながら北極星に向かっていく。そのように理解さ
れたようだ。
これを上から見れば、渦巻きになる。さらに双極文様の片方になることも、容易にわ
かるだろう。太陽から夜。夜から北極星と星々の運行。こういったことは世界のどこで
も起こる。観察できる。だから、双極文様が世界中に分布していても決して不思議では
ない。人間の考えることはどこでもおなじともいえるし、一毫(いちごう)の違いが千里の
差を生むともいえる。普遍と特殊であり、文化には両方の側面があり、どちらか片方
に偏れば予断をつくりだすだけでしかない。普遍だけで成立する文化など存在しない
し、特殊だけで構築された文化など存在しようがない。地球以外の知的生命体との比
較になれば、話は別だが。
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