スタディー・オブ・ヒューマンカインドは正確には人類学のことを指す。直訳すれば人類の研究ということだが、人に学ぶということでもある。比較文化史もそのスタンスを忘れずにいたい。
比較文化史には三つの要素があり、比較と文化と歴史にということなる。比較は二点を比べるということであり、違いを意識化させるという点で文化人類学とは異なる。もちろん、文化間にはおなじことも存在する。要するに特殊と普遍ということであり、文化の違いの発見といってもいい。
極端にいうと日本人は中国人になれるか、中国人は日本人になれるか、ということである。なれない。では、なぜそうなるのか。文化伝統の違いによるものだ。では、何が違うのか、と話が進んでくる。
比較というと隣国を連想するかも知れないが、視野を広くすれば、組み合わせは世界中に無限に存在する。しかも文化の一部分だけに限定する。比較文化史をはじめる前に、どことどこの、文化のなにを比較するのが効率がいい、などといったことを一切考えずに、行き当たりバッタリに勝手に規定する風潮があるように思えてならない。
おまけに歴史がどのようなものか理解しているとも思えないし、考えたことさえないように見受けられる。
比較文化史は歴史学と文化人類学の融合という側面をもつ。その及ぶ範囲は広大であり、深い。基礎体力のないままマラソンに出場すれば、倒れるに決まっている。それとおなじことである。
|