朱鷺色の空 / ROSSA 4TH

2009年12月23日発売 税込価格1,500円

1.朱鷺色の空
2.春雷
3.ほおずき市
4.幼年時代の想い
5.朝凪
6.川のほとりで
7.夏の名残り
8.夕暮れのいちょう並木
9.木漏れ日の午後
10.初霜
11.散歩道
12.冬枯れ
13.里山
14.藍色の時間

All Songs written by Kazuo Tanaka
except #3 #10 by Kaoru Watanabe
All Songs arranged by ROSSA

Recorded on Oct. & Nov. 2009
at TOP'S SOUND STUDIO,Yokohama,Japan

Personnel:
渡辺 かおる Kaoru Watanabe (Violin,Melodion)
田中 一夫 Kazuo Tanaka (Guitar)

Engineer:
石渡 正幸 Masayuki Ishiwata (PRIMAL SOUND)

Cover Design:
江島 恵 Kei Ejima
(EJIMAYA)

 柿の木のある家(3枚目)では初めて打楽器メンバーが入ったので嬉しくて、ついリズムを強調した曲ばかりになってしまいました。それで静かな曲(打楽器の入らない曲)は別のCDにまとめて作ってしまおうと思ったのです。3枚目が完成した時点で8曲が出来上がっていたので、すぐにでもとりかかることができました。ところが選曲しているうちに古い曲でCDに入らなかった曲も候補にのぼり、1枚目のころの曲、2枚目のころの曲がそれぞれ1曲ずつ生き返りました。さらに渡辺と田中が新曲を1曲ずつ書き下ろしました。そして録音にはいったところでそれぞれのソロ曲を1曲ずつ入れてみようということになり、結局14曲という今までで一番曲数の多いCDになりました。ジャケットデザインは3枚目と同じく江島恵子さんにお願いしました。今回の4枚目も統一感を出したかったので、再び和紙に筆でという曲にぴったりなイメージで描いていただきました。

  1. 朱鷺色の空
この曲は2枚目のCDを録音したころから出来ていました。でもCDに入れられずボツになっていたのですが、復活させることができました。しかも今回のCDのタイトルになりました。朱鷺といえば能登半島で1970年に最後の一羽が捕獲されたのです。この曲が1曲目になったのは柿の木のある家に続き私の故郷が題材になったことを示唆しています。朱鷺色とは淡い桃色のことでこんな空のイメージの曲を考えて作りました。春先の朝焼けの空です。

                                          田中

  2. 春雷
今回のCDでは各曲名が(非常にアバウトですけど)春から始まる四季の順に並ぶようにさせました。春雷とは春の初めになる雷で春の到来を伝えるという事でおめでたい雷です。

                                          田中

  3. ほおずき市
以前から日本の童謡のような曲を作ってみたいとの思いがありました。誰もが口ずさめるシンプルで哀愁漂うメロディー。イメージがどんどんふくらんで、なぜか5拍子の曲が出来上がりました。正真正銘、渡辺が初めて作った記念すべき曲です。
                                         
渡辺

  4. 幼年時代の想い
この曲も書いたのはずいぶん古いのですが、サビの部分しかできていませんでした。なかなか曲としてまとめられなかったのですが、渡辺がピアニカ(正確にはメロディオン)を使っていてこの音色に触発されて完成することができました。ギターリフをはさんでバイオリンに持ち替えてもらうのでライブの時には忙しい曲になりそうです。

                                          田中

  5. 朝凪
初めてのギターソロの曲です。私の好きな千倉や白浜はとても潮風の強いところでライブの時など譜面が飛ばされて大変なのですけど、ここで泊まると朝のいっとき全く風の吹かない凪(なぎ)の時があるのです。そんな朝凪をイメージした静かな曲になりました。

                                          田中

  6. 川のほとりで
パリミュゼット風の曲が欲しいので作りました。和風の曲が多い中で異彩を放ってくれればと思いこの曲を選びました。

                                          田中

  7. 夏の名残り
私の好きなバンドのひとつに東京ローカルホンクがあります。戸越銀座商店街を歌った曲がありますがこの曲もそれに近い気持ちで演奏しています。夏の終わりにそんな商店街をそぞろ歩くようなまったりとした雰囲気が出ればと思います。

                                          田中

  8. 夕暮れのいちょう並木
曲が出来たときからハーモニカかサックスのようなサウンドが欲しいと思っていたところ渡辺のメロディオンがピッタリはまりました。ライブでは夏の名残りとペアで演奏しています。

                                          田中

  9. 木漏れ日の午後
この曲もかなり前に作った曲でいままで何度もライブでは演奏してきました。ピアノで演奏するフランス風の軽い3拍子の曲が好きなのですが、バイオリンでメロディを弾いて欲しいと思い作ってみた曲です。以前はLazy Sunday Afternoonとか気だるい日曜の午後とかいうタイトルで紹介していましたがやっと正式なタイトルが付きました。

                                          田中

  10.初霜
レコーディング最終日、朝の数時間で作った短いバイオリンソロ曲です。我々にしては珍しく先にタイトルが決まっていたので、初霜初霜と呪文を唱えるように呟きながら、浮かんだメロディーをそのまま弾いてみました。

                                          渡辺

  11.散歩道
この曲は最も古い曲で1枚目のCDを録音したころから出来ていました。ロッサ結成時は時々やっていましたが、最近はずっと演奏していない曲でした。これも今回復活させることができました。

                                          田中

  12.冬枯れ
雪が少し降った日の朝、山あいの田舎の村の風景を見て作った曲です。田んぼの畦道を歩き冬枯れの木々に少し積もった雪、私がとても日本らしいと感じる景色のひとつです。あまりに曲が暗くて寂しいと言われますが結構気に入ってます。

                                          田中

  13.里山
冬枯れに続き同じように日本的な風景を思い浮かべ作った曲です。自分なりの里山を思い出して聴いていただけたら嬉しいです。

                                          田中

  14.藍色の時間
アイイロのトキと読みます。このCDのために書いた一番新しい曲です。今回はシンプルさを心がけソロは極力少なく、基本はオーバーダビングなしで、と考えましたがどうしても1曲くらいは重ねたいと思い、最後の曲にバイオリンではハモりを入れギターはエンディングで少しスライドでソロを入れました。藍色の時間というのは冬から春にかけての夜明け前の深くて濃い空の色をイメージしています。この曲が終わりまた1曲目に戻ることで1年の季節のめぐりを感じていただければ幸いです。

                                          田中