第3幕

1部:パンテオン讃歌

2部:ホノリフィカビリトゥニタティプス

3部:MIROKU

  主題:救い

再び暗転と沈黙のあと第3幕となります。

ここでは結局、滅んでしまったあとの有り様を表現します。

人は死んでも足跡を残そうとします。

自分が再生するか否かに関わらず、ヒントを残し

気付いて欲しいと願うのでしょうか?

 

−パンテオン讃歌−

フランスの作曲家ケルビーニによって作られた曲。フランス革命を讃える曲。
ベートーベンの運命はこの曲を下地につくられたとのこと。
当時のオーストリアを支配していたハプスブルグ家に知られぬよう革命を支持することをあらわしたらしい。

ギターシンセとサズによる演奏。流れるような淡い魂のゆらぎを表現します。

 

−ホノリフィカビリトゥニタティプス−

シェイクスピアの戯曲の中のすべての単語の中で最も長いもの。
この文字を入れ替えてアナグラムとして解読すると「これらの戯曲はF・ベーコンのつくりて世に残すものなり」と読める。
エピソードや手紙の一切ないシェイクスピアの正体はフランシス・ベーコンではなかったかといわれている根拠のひとつ。

しばしの沈黙のあと死に逝く人を表現します。
しかしあとに続く五十六億七千万年後に救済され復活するかもしれません。

 

−MIROKU−

五十六億七千万年後に人類を救済すべく仏の化身のような存在として降臨し地上に楽園が生まれる。
弥勒上生経に記載されている。

終わりのない打楽器のリズムの繰り返しが途方もない長い年月のあとの弥勒の出現を期待させます。
宇宙が存在して百五十億年、地球が生まれて四十五億年、人類が現れてたかだか数百万年といわれるのに、
五十六億七千万年後という数字に意味があるのかは理解できません。
それだけ先のことであっても人は救いを求めるものなのでしょうか?

                                                          終演

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