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作・演出 高橋良晴 |
ごあいさつ いつも応援、ありがとうございます。 おかげ様で私たちは、劇団「夢言大」と名前も新たに、昨年末の戸塚公演に引き続き、本格的なヒノキの舞台で芝居をさせていただくことになりました。 『歌は命』――みさ穂は常々、口にします。それは世間への高らかな宣言であると同時に、自分自身に言い聞かせる言葉でもあります。 彼女は――私たちと同じように――どもりで見下され、けなされ、肩身の狭い思いをしてきました。「何で私なんか産んだんだ!!」――最愛の父に、彼女は決して吐いてはならない言葉を発します。 捨てばちな彼女の想いとは裏腹に、父は大きな愛で彼女を包みこみ、こういいます――「たったひとつで、いいじゃないか」。彼女はそこで確信しました。たったひとつのもの ――彼女にとって、それは歌でした。 この重いテーマを演じようと、ここに集まった私たちもまた、さまざまです。決して有名ではない、新人の野球選手に、自らの生き様を投影し、全力で声援を贈る少女。形のない夢を握り締め単身、上京し、音楽に、そして国家資格にと、夢の形を懸命に模索し続ける青年。生まれ持った誰にもない身体的特徴をけなされ、心を病み自傷を繰り返す日々から懸命に立ち直った女性。自分のどもりを悲観し、勤めをやめ病院と薬にすがるも、そんな自らの弱さとマトモに向き合い、進むべき道を一歩一歩、歩み始めた男性 ――私たちは、吃音というたったひとつの共通点によって偶然に出会い、さまざまな想いを胸に、たったひとつの舞台をいま、カタチにしようとしています。その先に何があるのか ――答えは風の中。 自分には歌しかない、と確信したみさ穂ですが、その後の人生は決して平坦ではありませんでした。未だ陽の目を見ることなく、過ぎゆく日々。しかし彼女に後悔はありません。客観的な損得を超えた信念――彼女の、なにものにも左右されない主体性、真に人間らしいその生き様に、かつて私たちが一度は描いた「どもる仲間のために、何かがしたい――」という言友会活動の原点を、もう一度見つめ直すべきではないでしょうか。 そう、みさ穂は――私たちです。 |
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あらすじ 天賦の美声を秘めた吃音(どもり)の歌手、鈴木正子。心ない酔客の罵声に深く落ち込んだ彼女は、遠い故郷の小さな公園で、薄幸の少女時代の想い出に耽るのだが――。 |
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日時 2003年3月21日(金・春分の日) 午後5時30分開演(入場無料) (開場は開演の30分前からです) 場所 三鷹市芸術文化センター 星のホール(小ホール) 会場までの交通 JR中央本線「三鷹駅」南口より徒歩15分または同駅南口5・6番バス停よりバス3分「八幡前・芸術文化センター」下車すぐ 地図を表示 ![]() |
※ 劇団「夢言大」について 劇団「夢言大」は9年前に発足した「東京言友会演劇サークル」を母体に、2002年秋に結成されたばかりのフレッシュな演劇集団です。 「どもりでもできる芝居ではなく、どもりだからこそできる芝居を」をモットーに、活動を続けております。 吃音者が主体的に考え、感じ、行動する場を提供する団体として、「廣瀬カウンセリング教室」の賛同を得ております。またこのことは、私どもの母体である東京言友会の「吃音者宣言」に、いささかの抵触も生じないものと自負いたします。 |
同時開催!!
東京言友会文化祭 午後1時より(入場無料) 公演に関するお問い合わせ、及び当ページに関するご意見はzmandtm@mx11.freecom.ne.jp(松村)へ。 |