宿酔日記〜私の牧水 (03/08/08)

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『今まで自分のして来たことで多少とも眼だつものは矢張り歌を
作ってきた事だけの様である。いま一つ、出鱈目に酒を飲んで来
た事。』(若山牧水「酒と歌」)

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□□□若山牧水の酒の歌から思うこと□□□



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酒のためわれ若うして死にもせば友よいかにかあはれならまし

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われは五十代後半、いま酒で死ねば「ああ、やっぱり酒で死んだ
か」と言われて忘れ去られてしまうのが落ちでしょう。

酒をこよなく愛した父(享年79歳)の通夜は酒宴になってしま
いました。

自宅のためにお清めの場所が無く、たまたま空き地だった向かい
の敷地を借りてテント張りの立食になってしまいました。これが
酒宴になる雰囲気をつくったようです。盛り上がりすぎ、これ以
上続ければご近所迷惑になると十時頃閉店。

後日、知人たちから「不謹慎だけど、あんな楽しいお通夜は始め
てだった」と聞き、父もあの世から「俺抜きで楽しむなよ」と苦
笑いしていたのでは。

私は喪主のため酒宴に参加できず、泣く泣く坊さんの相手。



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酔ひはてて世に憎きもの一も無しほとほとわれもまたありやなし

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深酔した時はこんな心境になるかも知れませんが、私はそこまで
達していないので“憎きもの”が頭をよぎってしまいます。

“われもまたありやなし”これはいつものこと、不安と至福が揺
れ動きとても幸せな気分に。

翌日、至福はあっさりと消えて不安が増殖しています。



□□□次の機会にも短歌を解さない酔っ払いの戯言にお付き合い
くだされば幸せです。□□□      (fou

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