宿酔日記〜或る日 (03/09/17)

真夏のような残暑。

湯河原の大老人(まだ、老人と呼ぶには10年も早いのですが、
貫禄があり大先輩では色気が無いのでこう呼ばせていただきます
、ご容赦を)から電話があり

「いつまでも暑いな、鰻でもどうだ」と誘われた。

二つ返事で「もちろん伺います」。

鰻屋は湯河原から東京方面に車で30分ほどの海岸沿いにある。
大老人と打合せと称して昼酒を飲む格好の隠れ家である。
鰻も旨いが、店主のお人柄も心を和ませてくれる。

いつもどおり楽しい食事を終え、大老人の運転する(酒気帯び運
転?)車でお宅へお邪魔する事になる。

「ちょっと寄り道するぞ、途中で引っ掛けたご婦人がいるはずな
んだ」

若いなあ、とあきれながら同行する。

大きなショッピングセンターに入り広いロビーの方に歩いていく。
ベンチで本を読んでいる女性の前で立ち止まり、「よおっ」と声
を掛ける。振り向いたご婦人は何と大老人の奥様。

「ちょっとしんどい、運転してくれ」自分だけ旨いもの食べて、
奥様は買い物、勝手な人である。


海の見える大老人のお宅で、沖縄の地元しか手に入らないという
泡盛をご馳走になる。

夕方、「ちょいと面白い温泉があるんだ、これから行こう」と突
然言い出す。

奥様の運転する車で十五分、着いたところは熱海の海岸沿いにあ
るマンションの駐車場。

「こんな所に温泉があるんですか」
大老人、駐車場からすましてマンションの中に入っていく、風呂
と書かれたドアの横にあるキーボードをピポパ、ドアのロックが
解除された。
奥様は女湯の前でピポパ。

温泉付きマンションかと納得。

「ここもお持ちなんですか」
「いや、知人が所有しているがほとんどいないんだ、で暗証番号
を聞いてあるのでいつでも使える。一応住人みたいな顔して“今
日は”と笑顔で挨拶する事、以上」

中に入ると、なるほど温泉である。
久々に温泉気分を満喫。

ふたたび大老人のお宅に戻って今度は風呂上りのビール、そして
ウイスキー。奥様の手料理までご馳走になり良い気分で帰宅。


バラエティに富んだ残暑の一日でした。


翌日の夜、大老人のメール。

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暑い、フェーン現象でしょうか。兎に角、湯河原の町は暑い、我
が家の室内は更に暑い。花瓶の水は沸々と煮えたぎり、頭がボー
ットして居たたまれず、遂に冷房の効いた電車に乗って、古巣の
町・相模原の南台へ脱出しました。
久しぶりで町の変貌にびっくり。
住宅街の路地、路地に洒落た名前が付いているのです。
規模は小さいけど、パリの街のようです。
小田急線の小田急相模原駅下車。新宿に向かって左側、二宮神社
の後ろ側の住宅地です。
散歩の一押しです。行ってみて下さい。

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鰻を食べ、酒を飲み、最後は温泉の次の日です。
なんとも元気な人である。         (fou

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