昨日今日明日〜テレビ (03/12/12)

テレビが壊れた。


壊れたというより画面が暗くなり、室内や夜のシーンでは人の判別
(動きだけで性別、顔など不明)がやっと。夕景は画面全体が赤黒
くなり、まるで怪奇映画のオドロオドロしい場面のようである。

しばらく我慢していたが、さすがに何を見ているのか判別出来なく
なり引退して頂く事にした。

十年間良く働いてくれました。


ところが困ったんです。


十年前、無理して買った33インチ、馬鹿でかくて重いのです。持
ち上がらない、台ごと転がして邪魔にならない別の部屋に移動しよ
うとしましたが、途中でキャスターが壊れたら悲惨な事になりそう。

結局処分を頼むまで移動安全範囲な部屋の隅に置く事にしました。

もう一台の小型をしばしのメインにすべく設置、どうしても大型の
隣に近い位置しか良い場所がない。それでもビデオ、アンテナなど
のコードを繋ぎ替え設定終了。

さて、ビデオの接続などうまくいっているか確認。
すべてOK!
でも何だか変である、落ち着かない。


急に画面が二回りも小さくなったせいかなと納得して、画面の位置
など変えてみる。


翌日、まだ何となくおかしい。


面倒なので床に直接置いていた、これが原因だ。慌てて台になりそ
うなものを探すが、案外無いものです。
何とか間に合わせの台に乗せてみる。
なるほどちょっと高さが変わっただけでずいぶん雰囲気が違う。
これで解決。

夜、一杯飲み始めた。ぼんやりと見るテレビの画面では明日の天気
予報。


でも、やっぱり何かオカシイ。


位置か高さか、気になり出して酒の味も解らなくなる。


その時やっと理解しました。


旧い引退したテレビが視野の中にあったんです。
画面は消えて、こちらからは斜めに位置するのに、視野の中では大
きな比重を占めているのです。


女房が死んで、通夜の祭壇の前で以前付き合っていた女と寄りを戻
したようなものです。


部屋の隅に置いたといっても菓子箱ではない。
ソファーやテーブルと対等な存在感があるのです。


生きている時は何も感じなかったのに、物になると突然存在感を主
張。不思議なものです。


処分や運搬の費用を考えると、買い換えと同時が一番安い。そんな
訳で、しばらく埋葬はできそうにありません。



埋葬後、今度は突然の空間に戸惑うのでしょうか。   (fou

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