某月某日②

九月某日

健康診断の再検査で胸のＣＴ撮る。始めてのＣＴ、かまえて行く
と１０分足らずで終了、気抜けする。結果は三週間後、大きな病
院はのんびりしている、それまで為すべきことなし。未決のまま
・・・・・

九月某日

この春奥様を亡くされて、８６歳でひとり暮らしの明石叔父から
ハガキ。ひとり暮らしを始めて三ヶ月、この夏体調を崩して入院。
お見舞いでもと考えるうちにこのハガキ。『かなり前に退院しま
した、一人暮らし頑張っています。娘から同居もすすめられてい
るのですが、面倒で・・・』
ああ、ダメだ、いつものパターン。行動する前に先手を打たれる、
何でも一日延ばしにしてしまう。また、反省。

九月某日

夢の中で電話のベル、朦朧として時計を見ると四時、出ないうち
にベル鳴り止む。そのままうとうと、今度は目覚ましで起こされ
る。テレビのスイッチを入れたらまたベル、電話を取ろうとした
らＦＡＸ。旧友肝硬変から「電話をしたがまだ起きていないよう
なのでＦＡＸします・・・・・」用件を読むとたわいない事、オ
イオイ勘弁してくれ、朝４時に電話するなよ、全く人騒がせな男
だ、中学時代と変わっていない。おかげで一日寝不足状態。

九月某日

週三回降りるＪＲローカル線と私鉄を繋ぐ東京郊外の小さな商店
街に美味しそうなケーキ屋。いつも客がいっぱいなので気になり
覗いてみると、小さなタルトが４～５百円。ケーキってこんなに
高かったかなあ、すっかり世俗に疎くなってしまった。それでも
試しに焼き菓子を一袋買ってみる、美味しかった。飲み友達には
言えないが、まだまだケーキ屋選びの目は狂っていない。
この商店街の５０円コロッケもなかなか美味しい。不思議な街だ。

十月某日

大老人からのメールに『プリペイド携帯を買いたいので、色々教
えてほしい』とあった。携帯は持たないと言っていたのに、どう
した心境の変化だろう。分かった、また新しい恋が始まったな。
奥様に内緒の連絡専用だろうと、ひとり納得。
大老人に電話してみると『カミさんが欲しがっているのだ』なん
だ、つまらない。

十月某日

十一時近くに素面で帰宅。風呂に入り一杯飲んでいると地震、か
なり長い横揺れ、震源は茨城？関東一体揺れたらしい。
しばらくしてＴＶの画面がざらつく、どのチャンネルも、１０年
前のテレビいよいよイカレタか、念のためＢＳを見ると正常。ま
だ壊れていなかった、地震のせいかもしれない。
ＢＳは大リーグとコンサート、唄っている娘少し気になる、名前
も分からないうちに番組終わってしまう。仕方ないので寝るかと
思った時映画が始まった。「ギャルソン」というタイトルでフラ
ンスのオーソドックスな恋愛もの、少しのつもりが最後まで観て
しまった。何処かで見た男と思ったらイブ・モンタン、八十年代
にこんなに若かったろうか？確か「恐怖の報酬」もモンタンのは
ず。後で調べよう。
二時過ぎ就寝、六時起床、寝不足。

十月某日

今年、最大規模の台風接近。仕事三時半終了、ひどくなる前にと
家路を急ぐ。後で考えると台風に向かってイチモクサン。電車は
何度も様子見で停車、最後は全面ストップ。『台風の通過を待ち
ます』とアナウンス、まるで特急の通過待ち。時間潰しに構内で
ビール二杯、思わぬ散財。動きそうにも無いのでＪＲと私鉄乗り
継いで帰る。地元駅では風も止み、傘も不要になっていた。ツイ
てない。
今年は台風上陸本数の新記録らしい。イチロー、オリンピック、
真夏日と今年は新記録の年。そして私は最低体重新記録・・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｆｏｕ）