某月某日④

十一月某日

大腸内視鏡検査でポリープ見つかる、二個も。一つはかなり大
きくて内視鏡での切除ギリギリらしい。二週間後に切除決まる、
ドキドキ。

十二月某日

新卒で入った会社の先輩二人と飲み会、一人は十年ぶりくらい
か。
先輩とはいってもこの年になると同期と変わらない年代。懐か
しい昔話に花が咲く。気の緩みか、足元ふらつくまで飲み改札
まで送られる。数十年前飲み始めに先輩に送られたのと同じ。

十二月某日

入院前日、大老人とうなぎ屋で昼酒会。「病院に入る前に旨い
ものを喰って飲もう、後悔しないように」ひどい人だ、結果を
癌だと思っている。
遅れて着くと女性の連れがいた。まだ深刻な付き合いにはなっ
ていない人妻のガールフレンド。大老人のまめなところ見習わ
なくては。

十二月某日

ポリープ切除のため入院。
入院早々メガネのツルが折れる、持ってきたはずのタオル見つ
からず小型の予備タオルしか入っていない。出だしからついて
いない、悪い予感。
三日間検査、点滴など結構忙しくて薄い文庫本一冊しか読めず。
病院食は意外と旨かった、薄味のせいか酒の肴になるような気
がした（二日目からは絶食状態だったので同室の食事恨めしく
思った）。
三日目の午後あっけなく退院、二週間は禁酒と云われるがその
日の夕方、なめるように一合の日本酒。
二日後から仕事。
（一週間後摘出ポリープの組織検査で異常なし、やれやれ）

十二月某日

病み上がり（？）なのに年末年始も忙しくて三週間休めず。
いつしかポリープのことも忘れてしまう。酒も毎日休まず飲む。

一月某日

新しい年四日目、三週間ぶりの休日、送れて年賀状を出す。
こんなに良く働いたのは始めてではないか。
ナマケモノには辛い年末年始だった。　　　　　　　　　　（ｆｏｕ）