映画うらしまタイムトリップ G (03/06/30)
渚にて 1960/9/6(新宿東急)
ON THE BEACH
1959/米/スタンリー・クレイマー
グレゴリー・ペック☆エヴァ・ガードナー☆フレッド・アステア
☆アンソニー・パーキンス


オーストラリア民謡「ワルティングマチルダ」の叙情的なメロディ
ーが核戦争による地球終焉の映像(破壊されたシーンは無い)と対
照的でとても印象的でした。

狂ったようにレースで飛ばす男、原潜から放射能が蔓延し無人にな
った故郷の港に下船する船員、死ぬための薬をもらう為に行列に並
ぶ若夫婦と子供・・・意外に覚えているシーンが多かった。

それから40年、いまだに世界から核兵器はなくなっていません。
実感としての核兵器の恐怖は、だんだん薄れてしまうようです。
かろうじて地球が破壊されていない事を善しとするのか?
「ターミネーター」のような時代にならねば良いのですが。

蛇足ですが「ターミネーター2」はなかなか素晴らしい作品だと思
います。



小島の春 1966/4/26(近代美術館)
1940/東京発声/豊田四郎
夏川静江☆菅井一郎☆杉村春子


二年前、ハンセン病裁判に対して国が控訴を断念。

観たのは三十数年前、制作されたのは六十年以上前。
当時、二十歳そこそこの私には大変ショックな作品でした・・・
この作品を観てライ病の事はある程度理解もしたはずなのに、今回
古いメモを見るまで忘れていた。行動に移す事は出来なくても忘れ
てはいけない事だったのではと反省。

何年か前に療養所から出られるようになった患者さんが、あまりに
も長い期間外界から遮断されていたため「外に出る事が怖い、この
ままでいい」そんなTVのドキュメンタリーがあった事も思い出し
た。

犯罪者でもないのに長期間の拘束生活、家族とも引き離されて多く
の方が無念のまま亡くなられたと思うと慙愧に耐えません。生存さ
れている方もかなりの高齢だと考えられます。
じん肺をテーマにした「人として生きる」でも患者さんが高齢にな
り、裁判に耐えられなくなってしまう。
難しい問題はあるのでしょうが、改めて日本の裁判は長いと感じま
した。

映画を通して知ることは、TVの報道と違う重い意志があると改め
て実感しながら、テーマの暗さとは対照的に静かで美しい瀬戸内の
小島を思い出しています。


                                    (fou

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