■タイガース 2012年シーズン総評
2012年、タイガースは、和田新監督が就任、「現有戦力はしっかり把握している。今の戦力にほんの少しのスパイスを加えれば十分優勝争いできる」という発言の元、補強をおこなわずにペナントレースに挑んだ。序盤、首位に立ったものの、ベテラン勢の相次ぐ故障、ブラゼル、マートンの不調で、ずるずると5位に定着。早々にCS進出の芽は断たれた。和田監督が生え抜きでなければ、シーズン中の更迭もあり得た。
昨年同様、先発陣は充実。後半戦では、岩本、歳内など、若い投手がプロ初勝利を挙げるなど期待が高まった。中継ぎ陣の不調は今シーズンも継続し、球宴前に藤川が故障で離脱するなどいまひとつ。台頭する若手投手も出現しなかった。
野手では、クリーンアップは機能せず得点力はなく、好投する先発陣を何度も見殺しにするなど、首脳陣の無能が目立った。新井、金本、城島と相次いで故障し、金本、城島にいたってはシーズン途中での引退発表となった。ブラゼルは、城島の控えにまわるなど、異常な起用で、マートンとともに調子が戻らぬまま。後にブラゼルは退団となった。
今後の課題としては、守備負担を軽減するための鳥谷の三塁コンバート、大和の遊撃固定、上本の積極起用などだろう。また、30本以上の本塁打を打てないうえに、守備・走塁で難のある新井の処遇が注目だ。来季は打撃コーチ陣に、てこ入れが図られる模様。これにも期待したい。いい加減にスモールベースボールにチームを転換すべき。
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