■タイガース 2013年シーズン総評
2013年、タイガースは昨シーズン5位Bクラスに沈んだことで、積極的な補強を実施。MLBから西岡、福留を獲得し、新外国人選手のコンラッドを補強した。しかし、補強すべきは、抑え投手と捕手、4番打者であり、特に抑え投手を補強しなかったことが、シーズン中盤以降に大きなしわ寄せとして現れた。西岡の加入は、チームに勢いをつけ、ベンチの雰囲気も明るく一変させた。逆に、福留は故障続き、コンラッドは春先のみの活躍で、それ以降打撃不振で2軍暮らしと大きなブレーキになった。チームは中盤まで首位争いに参加したものの、終盤は打線が機能せず連敗続きで失速。CSでは3位カープにエース・能見を温存し2連敗。和田監督の不可思議な選手起用が目立つシーズンとなった。
投手陣は、抑え投手を補強しなかった影響で、先発の久保をクローザーに転向。この起用が失敗に終わり、シーズン後、FA流出の原因となる。先発では、高卒新人の藤浪が10勝を挙げ、エースとしての階段を昇り始めた。また、2年目の松田が肩の故障から急成長し一時期、クローザーを務めるなど、若い投手の育成がうまくいった。さらに、ベテランの安藤、福原、加藤が復活。バランスの良い投手陣になった。
野手では、例年通り得点力不足で中盤戦から好投する投手陣を見殺しにし、チームが失速する原因を作った。CSファーストステージでは、ペナントレースで勝率5割を切っていた3位カープに、1勝もできずに敗退するなど醜態をさらした。やはり、4番・新井貴の不確実性が大きく、また、全体的にバント失敗や走塁ミスなどが多くチグハグさが目立った。和田監督の過去の実績のみに偏重した選手起用で若手が育ちにくいことも問題であろう。希望としては、福留、藤井らベテラン勢の故障の間に、俊介や清水などが成長し結果を残したことだろう。来シーズンのチーム若返りに期待したい。
|