■タイガース 2014年シーズン総評
2014年、タイガースは例年にない的確な補強を実施。藤川が衰え始めた2012年から補強すべきだった抑え投手に、韓国から呉昇桓を獲得。外国人選手枠の関係上、スタンリッジを放出することになり批判もあったが、最優秀救援投手に輝くなど間違っていなかったことが証明された。また、野手では右の長距離砲ゴメスを獲得。ここまで、新井にこだわり三塁を守ることのできる外国人を狙って失敗し続けたが、一塁専門のゴメスが加入し競争させることで、優劣をはっきりさせた。これも正解だった。チームは、カープの自滅で2位でCSに進出し、CSでは、和田監督の神がかり的な采配もあり、不敗でカープ、ジャイアンツを降し、日本シリーズ出場を果たしたが、日本シリーズでは、ホークスに1勝後、4連敗といつもの謎采配が発現した。万全でないホークス先発投手陣を打ち崩せなかったところに甘さが見える。
投手陣は、先にでた呉昇桓の活躍で抑えを固定することに成功。鶴岡の獲得で、不調だった岩田が復活するなどメッセンジャー、能見、藤浪、岩田と先発4本柱が揃った。ここに新人の岩崎、岩貞などが加わり安定感が出てきた。中継ぎは、ベテランの福原、安藤に頼りきりでいまひとつ。後半戦で、左の高宮と右の歳内が使える目処が立ち、世代交代が進みそうだ。
野手では、開幕早々、西岡が故障。代わりに起用された上本が二塁のポジションをつかんだ。毎シーズンいいところまでいきながら故障を繰り返していた上本が、レギュラーとなり、生え抜き野手が少ないタイガースとしてはうれしい誤算。また、昨シーズンから中堅にコンバートされた大和が、圧倒的な守備力を見せ、こちらもレギュラーの座を掴んだ。ゴメス、マートンの新4番5番コンビも機能し得点力が上がり、打撃型捕手の新人、梅野がベテランを押しのけ、田淵以来の新人正捕手となり、念願の捕手固定ができそうだ。来シーズンに向けて、若手野手の打撃に確実性が付けば、面白くなりそうだ。懸念としては、外野手の伸び悩みがある。大和はもともと守備力には定評があるものの、それ以外の若手外野手はプロ野球選手とは思えない守備で愕然となる。チームを強化するためには、まともな外野守備コーチを入れるべきだ。
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