第5学年3組 算数科学習指導案

平成15年12月12日(金)第6校時
男子13名 女子14名 計27名
授業者 寳迫 芳人

研究主題

楽しみながら基礎・基本が身につく指導方法の工夫
─── 図形・数量関係領域の学習を通して───

※下線_は、研究主題に関わる部分です。

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1.題材名

三角形の角のひみつをさぐろう

2.題材について

〈児童の実態〉

 本学級の児童は、どんなことにも前向きに取り組み、自分の力でやりきろうとする子どもたちである。これまでの間、児童の興味関心を喚起するような教材の工夫や、自分の力でやりきる達成感を味わわせるような授業展開を心がけるとともに、特に図形を扱う単元では、基礎・基本の定着を重視して指導に当たってきた。また、図形を操作し、面積を求められる形に直す際には、作業の手順を「見通し」として言葉や文章に表すようにさせて、自分の思考を整理・確認しながら作業を進めさせるようにした。その結果、「三角形と四角形の面積」の学習が終わった後の自己評価カードへの記述を見ると、ほとんどの児童が「わかった」と感じることができるまでになった。また、三角形と四角形の面積の学習をしていく中で、平行四辺形や三角形などを移動したり分解したり結合したり回転したりする作業を行ったことで、図形を多角的に見る素地を養うことができたと考えている。

〈教材観〉

 本教材は、平面図形の出発点となる三角形の性質について考える教材である。三角形には、3つの辺と、3つの頂点が存在し、それが3つの角を形成していることは既習事項である。これらを踏まえて、さらにその性質を考えさせる中で内角の和に注目させ、平面上にある三角形は、いかなる場合であってもその内角の和が180°になることを学習させたい。この性質は、三角形そのものの大きさを問わないということも、押さえておきたいところである。そして、最も重要なのは、この三角形の内角の和が180°であることを利用して、すべての多角形の内角の和を導き出すことができるということに気付かせることである。
 なお、こうした性質を理論的(演繹的)に考えることは、平行が交点を持たない直線の関係であることや、一直線に交わる直線が作る隣り合う角の角度の和が180°になること、そして、平行線に交わる一直線が作る角度の性質として同位角や錯角などを学んでいる本学級の児童たちにもできないことではない。しかし、論理的な考え方に基づく「内角の和」の学習は、中学校での学習内容になるため、本教材では、あくまで「気付き」を重視した、経験的、帰納的な解決方法に基づく理解にとどめなければならない。

〈指導観〉

 今回の学習では、敷き詰める活動を通して、三角形の内角の和に注目させる。その際、子どもたちに必要感を持たせ、興味・関心を持続させるために、タングラム的な要素を盛り込んだ「シルエットクイズ」の形で教材を提示し、自分の力でクイズを解く過程で、三角形のそれぞれの角を合わせると一直線(180°)になることに気付かせたいと考えている。ただし、敷き詰めただけでは「内角の和」に注目することができない児童もいると予想されるため、机間指導などで「一直線=180°」であることを確実に押さえたい。また、三角形のそれぞれの角が集まって一直線ができていることを意識させるために、それぞれの角に違う印がついたものを補助教材として用意し、児童の支援に利用したいと考えている。
 このように敷き詰める活動によって三角形の内角の和が180°になることを学習した後、それらを一般化するために、さまざまな形、さまざまな大きさの三角形を使って、それらの内角の和が180°になるか確かめる活動を行う。ここでは、分度器を使ったり、はさみで切って貼り付けたり、折ったりするなど、さまざまな確かめ方が考えられる。いずれにしても、子どもたちが作業的な活動をする中で、三角形の内角の和が180°になることを確かめさせたい。
 最後に、適用問題をとかせることで、確実な定着を図りたいと考えている。

3.指導の目標

敷き詰めなどの活動を通して、三角形や多角形の内角の和について理解する。また、それを用いて基本的な図形の性質を見出したり、調べたりすることができる。

〔関心・意欲・態度〕 ●基本的な図形の性質をもとに、多角形の角の大きさの性質を調べようとする。
〔数学的な考え方〕 三角形の内角の和が180°になることを、敷き詰める活動などを通して考える。
●三角形の内角の和をもとにして、多角形の内角の和の求め方を考える。
〔表現・処理〕 三角形の内角の和が180°であることを用いて、多角形の内角の和を求めることができる。
〔知識・理解〕 三角形の内角の和が180°であることや、多角形の内角の和は三角形に分割することによって求められることを理解する。

4.指導計画

単元 時数 学習内容
三角形の角のひみつを探ろう 3 2
本時
(1/2)
三角形の内角の和は、180°であること
・三角形の内角の和をもとにした四角形の内角の和の求め方
1 ・多角形の概念
・多角形の内角の和の求め方

5.本時の学習

(1)目標

・三角形を敷き詰める活動を通して、三角形の内角の和が、180°であることを理解する

(2)展開(1/3) ○主な発問、●予想される反応、*支援、☆評価項目

学習活動 指導上の留意点 準備と評価 時間
1.三角形に関する既習事項を押さえる
○三角形はどんな図形でしょう
角が3つ
頂点が3つ
辺が3つ
○その他に、三角形の性質はないか調べてみましょう
◎全体で、既習事項を押さえる
*算数や図形が苦手な児童が、答えやすいように、「わかる」と思えるような問いかけにする
・三角形の見本(大) 5
2.三角形の性質を調べる
シルエットクイズを解きながら、三角形の性質を調べてみよう
課題 三角形の3つの角に関する性質を調べる
シルエットクイズに答える
裏返したり重ねたり並べたりする
●何もしない、意味がわからない
シルエットクイズの答えを確認しましょう


3.三角形の性質を考える
○できあがったものを見て、気付いたことを書きましょう
●三角形の3つの角を合わせると、一直線(180°)になる
●シルエットの上下の辺が、平行になっている
●友達のとつなげると、さらに長い台形になる
●同じ三角形を並べると、台形ができる
○気付いたことを発表しましょう
4.三角形の内角の和が180°になることを確かめる
○本当に三角形の内角の和が180°になるか確かめてみよう
●分度器を使って調べる
●角を折って一直線にする
●角を切って一直線に並べる
●やり方がわからない
○三角形の内角の和が180°になったか発表しよう
シルエットクイズ
5つの同じ形の三角形を使って、細長い台形ができあがりました。さて、どうやって作ったのでしょうか。
*問題を補うために、提示教材を見せる
◎各自に90°、60°、30°の直角三角形の色板とシルエットを印刷したものを配布する
*とまどっている児童には、一直線にするためにはどうしたらよいか考えさせる
*それでもだめな児童には、3つでできるシルエットをわたす
◎代表児童にOHPで答えさせる
*理解を助けるために、TPシートで作った三角形をスクリーンに映しながら説明させる
◎ワークシートに気付いたことを書かせる
*とまどっている児童には、シルエットの底辺が、一直線であることに注目させる
三角形の3つの角を合わせると一直線(180°)になることをとりあげる
*三角形のそれぞれの角度が集まって一直線になっていることがわからない児童には、それぞれの角に違う印のついた三角形を使って考えさせる
◎確認用のさまざまな三角形を使って、内角の和が180°になっているか確かめさせる
*分度器で、うまくできなければ、切って角をそろえて並べてもよい
(直線のものに沿うようにさせる)
*とまどっている児童には、切って並べる方法を推奨する
(角がわからなくならないように、印を付けさせる)
◎さまざまな解き方ができるように支援をする
◎代表的なやり方を発表させる
三角形の内角の和が、180°になっていることを押さえる
・提示教材・90°、60°、30°の直角三角形のTPシート
(5×27)
・シルエットを印刷したワークシート
・3つでできるシルエットを印刷した支援カード
☆三角形を用いて、シルエットの形に合わせて並べることができたか(観察)
・OHP
・シルエットのTPシート
・三角形のTPシート
・スクリーン
☆それぞれの興味に応じて三角形の性質を考えることができたか(観察・ワークシート)

・確認用三角形(多数)
・分度器(各自)
・はさみ(必要な児童)
・ものさし、定規など(必要な児童)
☆自分のやり方で、三角形の内角の和が180°であることを確かめられたか(発言・ワークシート)
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5.適用問題を解決する
○練習問題をやりましょう
○答えを確認しましょう
◎練習問題を提示し、答えさせる
(1)180-(50+40)=90
(2)180-(120+25)=35
*全体で確認して次時につなげる
・練習問題
☆三角形の内角の和が180°であることを利用して、問題を解くことができたか(観察・ノート)
3
次時の学習 ・三角形をもとにして、四角形の内角の和を求める

〈板書計画〉

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